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思い通りにライディングしたいと思ったことありますよね? できるようになります!
「ここの難しいコーナーをもっとイメージした通りに走り抜けたい」
「自分の意図しない挙動を出してしまった」
ライダーであればこんな経験を一度はしているはず。
昔から人馬一体と言われているようにバイクは四輪よりも良いライダーと車両の一体感が求められますし、ライダーの認識通りに動かせないと安全性を欠きやすい乗り物であるとも言えます。
究極のバイクは完全にライダーの意のままに、そして安全に走らせられるものだと思います。
二輪のリーディングカンパニーのHonda(ホンダ)がなんとこのようなライダーの認識や意思や気持ちをつかみ取る研究を本気でしていることが特許出願から明らかになってきました。
これは本当にすごいことですね。
当然まだまだ完全な技術ではないのですが、非常に興味深い研究です。
この記事ではこの特許の詳細を見ていきたいと思います。
バイクがライダーの意のままになる!
四輪車の世界では、豊富なセンサーやレーダー、カメラを使って自動運転の実現に向けた動きはありますが、ドライバーの認識までを読み取る研究は少ないですよね。
四輪車はドライバーの意思を認識しなくても車両が自立していますし完全に安全な走行を実現できてしまいます。
ただバイクはそうはいきません。
一部の転倒しないバイクを除いて、基本的にライダーの操作が無ければ自立すらしません。
またライダーの意図に反して車両が勝手な動きを起こすとライダーは危険にさらされてしまいます。
例えば、四輪車は緊急ブレーキを車両の判断で行い、その際にドライバーをシートベルトでしっかりとシートに固定することは可能ですが、二輪車は緊急ブレーキを車両のみの判断で行うと、ライダーは車両前方に投げ出されてしまう危険があります。
車両対ドライバー/ライダーの関係性が全く異なります。
しかしながら将来のバイクがライダーの意図認識し、それに従い危険な状況を回避する運転補助装置を作動させることができればライダーとバイクの意思疎通による究極の安全が作り出せますよね。
その意思疎通を実現するのが、バイクによるライダーの脳波検出システムです。
この脳波検出システムの特許出願は、ロサンゼルスのHonda(ホンダ)のアメリカの研究所から出ているそうです。
日本のホンダではないんですね。
このシステムはシンプルにヘルメットの脳波検出装置を介してライダーの脳波信号をキャッチし処理する”ライダーと車両の接続システム”です。
認識したライダーの意思を基に、加減速度、ヨー、ピッチ、ロールセンサーで把握した車両状態に対し、スロットルとブレーキ、クラッチ、ステアリングで車両の挙動を作っていきます。
また現在のバイクと異なる点は、ステアリングを動かすためのアクチュエーターを装備しており、舵角によっても車両の挙動を作っていけるところですね。
ライダーがウイリーしたいと思えば、バイクがウイリーしてくれる。
このシステムで作れる車両挙動として”ウイリー”が具体例になっています。
特許によれば、バイクはライダーの入力、つまりウイリーを作る意図を認識し、アクセルを操作し、ウイリーに必要なアクセルのしきい値にし、クラッチを切ってエンジン回転数を上げて、ウイリーに必要な位置でクラッチをつなぎます。
当然この制御で前輪が持ち上がるわけです。
意識一つで車両が簡単にウイリー状態を作ってくれるという状況が本当に安全なのかは少々疑問ではありますが、このレベルでのライダーとマシンの制御ができれば意のままのバイクが作れることでしょう。
もちろんジャックナイフもできちゃいますよね。
なんだかスタントマシンみたいになってきました笑
まだまだ実用化に向けたハードルは高く、たくさんあるかと思いますが、将来に向けてこのような研究を続けて欲しいし、特許を介して発信もしてもらいたいですよね。