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諦めないで、パパさんライダー
バイクが縁で結婚したり、とにかく夫婦でバイクというものをある程度理解し合えているご夫婦ってライダーにとって理想的。
私もあこがれちゃいます。
でも、価値観が必ずしも一致しないことも多く、それを折り合い埋め合わせるのもまた夫婦だったりしますよね。
ともかく、いろいろな条件のもと、
「連休があってもバイクには…。」
と、家族とバイクの両立に悩むお父さんライダーも少なくはないと思います。
でも、あきらめないでください。
家族を持ちながら何とかバイクともうまく付き合っていく方法は、工夫すればいくつか見つかります。
今回は、私がこれまで経験した「家族とバイクの上手な関係」を築いていくノウハウをご紹介していきますよ。
バイクに関われば関わるほど、家族との距離を感じてしまうのが悩み
例えば、
『家族と離れて一人になれる時間が欲しい。』
そんな時間を求めてバイクに乗る人も少なくはないと思います。
またその反対に、
『バイクがくれる豊かな楽しさを、できればそれを少しでも家族と分かち合いたい。』
そう思う人も多いのではないでしょうか
私の場合はどちらかというと、後者の気持ちが強いライダー。
しかし、現実はそうすんなりとはいきませんね。
ある時、せっかくいい気分でツーリングして帰ってきた夜にMotoGPの中継なんか見て茶の間に転がってると、
「一日中バイクだったのに、まだバイクなの?!」
と、般若の形相で妻が後ろに立っていたりして…。
そんなこともありました。
これもまぁ、前もって約束して出かけさせてもらったとはいえ、一日一人で子守をしてきた妻を思えば仕方ないことです。
しかしながら、
『大好きなバイクと過ごす時間を多くとればとるほど、なんとなく家族と分断されたような気分になっていく。』
私の場合この寂しさが、ある時から大きな悩みになっていました。
特に、子育てが始まると話は難しくなりますね。
確かに赤ん坊と妻を置いて、一人でバイクに乗りに行くというのは私自身罪の意識を感じましたし、その時点でバイクを手放す人の気持ちもよくわかりました。
いづれにしても、バイクとのかかわりは、家族を持つ前よりもかなり限定的なものにならざる負えないのかもしれません。
だとしても、
「その中でなんとかバイクと関わりたい!」
これがお父さんライダーの偽らざる気持ちというものですよね。
バイクイベントで家族を巻き込んじゃおう
やはり、バイクはそれなりにお金も時間も必要になりますから、家族の生活と対峙してしまう面も出てくるのはやむを得ないところです。
でも、ママさんバレーに出場するママさんを応援したり、フラダンスを踊るお母さんの発表会を家族で楽しんだり、家族の楽しみをみんなで楽しみながら応援しているおうちもありますよね。
バイクもそんな風にできないかなぁと思って考えたら、これができないことでもなさそうなんですよ。
私がおススメする方法は、家族参加が可能なバイクイベントに参加する方法です。
これは子どもがまだ2歳くらいの時だったんですが、ヤマハ主催のオフロードイベントがあって、コースわきで子どもが水遊びができたり、バーベキュー大会があったり。
家族を巻き込んでバイクを愉しむには申し分のない内容でした。
↑ 今はもうない谷田部のオフ、家族もそれなりに楽しめたようです。
このときまで、私のオフジャージ姿を「情けない」とまで言っていた妻も、参加者全員がオフジャージを着ているのを見て、
「なんだ、うちの旦那なだけが特別変なことをしているんじゃなのね。」と言って、走る私ををいつの間にかコースの沿道で応援してくれていました。
連れて行って良かったなぁと思ったのは、妻からバイクの話が良く出るようになったこと。
「バイクってこういうものなんだ」「こういうのを夫が好きなんだ」と実感を伴って共感してくれたようで、以降バイクを悪く言うようなこともなくなりました。
なので、普段イメージだけでバイクをディスっている奥さんがいたとすれば、イベントでライダーがみんなが楽しんでいる姿を見てもらうのは重要です。
例えば、既にバイクが手元になくても、試乗車の試乗会などで家族と一緒に楽しめるタイプのイベントは探すといろいろあるものです。
2019年4月に行われたファインモータースクール主催「まるごとバイク」↑
特に、美味しいものが一緒になってるイベントとか、その土地ならではのお土産で買えるとか重要ですね!
また、鈴鹿やもてぎなど、遊園地のあるサーキットイベントなんかもいいと思います。
2019年4月に行われた「BIKE!BIKE!BIEK!」↑
何より、こういう場所に行くと、既に家族でバイクを愉しんでいるご一家に遭遇することもあり、我が家のようにバイクに渋い奥さんが、「バイクのある家族スタイル」に感化されるかもしれません。
親子タンデムも一考
家族といる時間、特に子どもと過ごす時間はそれ以上に大切にしたいですね。
バイクに乗るのも同じくらい好きなんですが、バイクに乗るとどうしても子どもとは別々の時間を過ごすことに…。
わたしの場合はこうしてバイクのことを記事にするのが仕事。
そして妻の仕事が私の取材日と重なることもあるので、やむを得ずということもありましたが、子どもがタンデムステップに足を載せられるようになったのを契機に、親子タンデムを始めました。
この記事で親子タンデムをする際のポイントなどをまとめていますが、うちも家族の理解を得て、子どもにタンデムの興味を持ってもらうなど、周囲の心配の外堀を埋める努力をしたうえで行っています。
親子タンデムをやってみると、ひとりで乗る以上に神経は使いますが、一人では体験できない様々な発見がありますね。
まず、休日には駐車場待ちで込み合うよなところでも、駐輪場はすいているのですんなり入ることができるうえ、一日1,000円の駐車場も「バイク100円」となっていたりして結構お得です。
そして、車で行ってしまうと、私は運転席、子どもは後ろの席でテレビを見ていたり。
うちの場合ですが、意外と車の中では歓声がセパレートなものだったりします。
でも、バイクでタンデムしてみると、親子で密着しているのでスキンシップが取れて、インカム越しに会話がいつも以上に弾むんです。
それ以上に、ライダーなら普段感じている街々の風の匂いや冷たさ温かさなどを、周りの景色を子ども特有の感性で感じているようですね。
例えば、
海辺の度斧で磯の匂いがすれば、「海って青くて良い匂いだねぇ」とか、
ヒノキの森の中を走れば「パパ、森の中って「いい匂いがして気持ちいいねぇ」とか。
5感を通じて車窓からではわからない本当の景色を体験することが、子どもの情操にも良いみたいです。
走行中、娘に「好きなもの撮っていいよ」とカメラを渡したら、こんな空の写真を撮ってくれました。
タンデムではほぼ後ろで眠ってしまう娘ですが、今では「バイクで行きたい?それとも車?」と聞けばたいてい「バイク!」と答えてくれます。
海ほたるにて↑
バイクを家族旅行の偵察機にする
ツーリング中に、例えば山の集落を流れる小川で子どもたちがはしゃいでいる風景に出逢えば、「あ、ここで娘も遊ばせたい」と思ったり。
休憩で立ち寄った道の駅に美味しいものがあれば、「これを娘が食べたらどんな顔するだろうな」と思ったり。
『出会う風景の感じ方も家族を持つ前と後ではやはりだいぶ違うものだな』と思うときが最近富みに多くなってきています。
そんな思いでバイクを走らせていると、梨・ブドウ、イチゴにミカン狩り。
子どもと一緒に楽しめそうなアウトドア体験スポットを見つけると、お土産とともに、「次はみんなで行こう」という話になったり。
そんな風に、ツーリングが知らないうちに家族サービスの下見になっていたりするんですね。
↑先日もツーリングで見つけたマス釣りスポットに娘を連れだしました。(車でしたけど)なかなか楽しかったですよ。
つまり、バイクを家族旅行の偵察機にするわけです。
サプライズにできそうなおいしいものや凄い景色は、現地で家族を喜ばせるネタに黙っておくのも面白いですね。
『お父さんがツーリングをしてくると、後で楽しいことが待っている』
そんな風に思ってもらえれば、お父さんの株も上がり、例え一緒に乗れなくても「バイクっていいもんなんだねぇ」と家族も納得してくれるかもしれません。
家族もきっとハッピーになると思いますよ。
まとめ
「家族を持つならバイクをあきらめろ」
私も結婚前、複数の友達にそう言われました。
確かに、経済的にも時間的にも、「あきらめなくてはならないのかな?」と思ったこともありましたね。
しかし、そのたびに私は、「どうしたら家族とバイクを両立させられるのか」を考えて、ある時は妻ともケンカしながら試行錯誤して今に至ります。
そんな経験から今回は、たとえバイクに触ることすら許させていなくても、とりあえずバイクがらみで楽しめそうな方法も考えてみました。
親子タンデムについては、「なかなかハードルが高い」という人も多いですね。
実は私も必要に駆られて始めたのですが、実現までにはかなり時間がかかりました。
確かにこれはデリケートな問題も含みますので、その辺はお子さんやご家族の同意が取れた時に、無理のないところから段階を追って始めていただけるのがいいでしょう。
いづれにせよ、一般の人にとってバイクは負のイメージが多いもの。
家族の中でバイクを正しく認知してもらうには、実体験を少しずつ、共有するということが大事なんだと思います。
それこそUFOキャッチャーのように地道やっていくしかないのかもしれません。
それだけに家族に(特に奥さんに)理解してもらった暁には、感謝をいつもちゃんと示して、それを当たり前にしないことが何より大事ですね。
いま、なかなか「ツーリングに行きたいんだけど」とは言いづらい、お父さんライダーの皆さん。
明けない夜はありません!
その努力はいつか実って、たとえ一緒に乗れなくても、家族と一緒にバイクを楽しめる日が来ると思います。
そんな皆さんを私は陰ながらずっと応援していますよ!
ガンバって!