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夏休み、このまま終わってなるものか!
こんにちは!北海道の大学生ライダーの板倉です。
I LOVE BIKEというシリーズの中では、僕が免許を取る前からのエピソードや、免許取得後に敢行したツーリングの様子などをお伝えしています。
最近のシリーズでは、昨年の夏休みに実家の上田(長野県)に帰省して毎日のように行っていた日帰り弾丸ツーリングが中心。
前回のVol.7では、初めて泊りがけのツーリングをして途方もない距離をした道で旅しました。
尋常でない距離を走ってきた夏休みも8月いっぱいで終わり。
9月には学校行事のため北海道へ戻らなければいけません。
実は僕には、帰省する前から北海道に戻ってくるときに実行しようと決めていたことが2つありました。
まず1つは、
僕が免許を取る前に大変お世話になった道東の重成さんに会うために北海道を一周して帰ること。
そしてもう一つは、大人気バイク漫画「ばくおん!!」(北海道ツーリング編)のスポットを巡るツーリングをすることです。
この二つを念頭に置いて、前回のツーリングが終わったときから既に準備をしていたんですね。
今回は9日間に及ぶ、僕史上最大のツーリングのお話を伝えしていきます。
いよいよ決行、夏休みを締めくくります!
ついにやってきた出発の日、2018年8月31日。
私事のために家に帰ることを考えて逆算して、以前からこの日にしようと決めていました。
計画としては9日。
これを計画通り行けば私事の前日に帰宅することができます。
高校生と小学生の弟二人は2学期(高校は後期)がすでに始まっており、私の出発前に通学へ。
母も仕事で出発前に通勤。
残ったのは父のみ。
荷物を積んで父に「行くよ」と伝えると長い距離を走る息子が心配な様子。
寂しそうに見送くる姿に後ろ髪を引かれましたが、その思いを受け止めながら僕は旅に出ました。
さて、1日目のルートはこんな感じ。
3度目となる富士山に「ばくおん!!」でツーリングしていた東京湾アクアラインを加えたルート。
以前この近辺を通ったツーリングはほとんどが日帰り弾丸。
ですが今回は片道だけで、その日のうちに返らなくてはいけないプレッシャーがないのでかなりのんびりできます。
もはや僕にとって富士ルートの定番となった道の駅「朝霧高原」でソフトクリーム休憩。
秋に近づいて高く感じられるようになった空の下で、凛とそびえる富士をしばらく目で楽しみました。
この後、富士を離れ大都市圏に突入。
見覚えのある道だなと思ったらそこは東京・町田市。
ここは前回、仮面ライダーとアニメの聖地を回った時にも通ったところですが、今回の目的地はずっと先。
レインボーブリッジからお台場へ向かい、かつて等身大ガンダムが立っていた海浜公園で自由の女神像をしばし見学。
少し陽が傾く中、さらに愛車レイ(XR230)を東京湾アクアラインへと走らせます。
トンネル内は熱がこもり…。
「あっつい!」
メッシュジャケットを着ていても、サウナに入っているような蒸し暑さ。
やっとトンネルを抜けた東京湾の風に救われながら「海ほたるPA」の駐輪場へ滑り込みました。
「海ほたるPA」では定番の佐世保バーガーを食べて景色を楽しみながら長めの休憩。
ここまでほぼ小休憩だけで凌いだので、この味にはだいぶ癒されました。
再出発後は海上橋で強烈な風には煽られましたが、必至に抵抗しながらアクアラインを抜け、なんとか千葉の木更津入り。
すぐに日没を迎えますが、北海道とは違ってライダーハウスのようなものがあるでもなく、仕方なくネットカフェで一夜を明かしました。
憧れの「BIG ONE」から、犬吠埼経由で大洗へ
2日目は月も改まって9月。
木更津からまず向かったのは千葉県の大多喜市にある「Café Club BIG ONE」。
伺ったのは午前11時頃、ここでちょっと早めのお昼です。
こちらは僕が参加しているFacebookのバイクのグループ「NO BIKE NO LIFE」のリーダーが経営するライダースカフェ。
名物はなんといっても、200gの100%和牛パティーの他、栽培方法にもこだわった野菜がどっさりの大きな自家製ハンバーガー。
映像参照元;Café Club BIG ONEホームページ
自分で言うのもなんですが、これ目当てに毎日遠くから多くのライダーがやってくるというのも納得の味です。
残念ながらオーナーさんとお会いすることはできませんでしたが、来店記念の写真も撮ってもらいました。
親切に接していただいた店員の皆さんに感謝しながら今日の目的地・大洗を目指します。
房総半島のほぼ中央にある大多喜から向かったのは、太平洋側の大網白里市。
実はここ、僕が小学生の頃育った街なんです。
当時、僕がよく遊んでいた公園の横を、まるでタイムマシンから眺めるように、レイ(XR230)と一緒に静かに通り抜けていきました。
やはり、開発が進んだ街は自分のいたころの面影も薄れていて、なんだか切い気持ちになりますね。
九十九里浜という全長66㎞の日本最大級の砂浜海岸に面した大網白里市。
ここから海岸沿いにある九十九里道路をひたすら走ってさらに北上し、夏休み3灯目の灯台、犬吠埼灯台に到着。
こちらでは、学芸員の方から日本の灯台についての説明を伺いました。
このお話が素敵だったので、『日本の灯台巡りの旅にしてしまうのもいいな』と一瞬気を迷わせましたが、それはもっと先の楽しみにとって置こう思い直した僕です。
犬吠崎を後にすると、だんだんと雨雲が怪しくなり、突然の夕立に遭遇。
ここまでツーリングをしておきながらなんとレインジャケットをまだ手に入れていない僕。
仕方なく途中の最寄りにあった大洗鹿島線の駅で冬用のフリースジャケットに着替えました。
既に夕闇が迫っていたので、この段階で着替えて正解ですね。
ここ大洗は「ガールズ&パンツァー」というアニメの聖地。
到着した頃には暗くなっていましたが、大洗鹿島線の車両など、至るところにキャラクターが描かれているのが楽しかったです。
大洗はフェリーに乗るためではなく…
もちろん、大洗港からはフェリーで北海道へ…?
いいえ、もちろん…青森港まで自走します!
なぜこのコースかというと、具体的な帰る日取りが見えていなかったので、帰りのフェリーを予約していなかったというのが大きな要因。
さらにこの時、台風が接近のためフェリー運休の懸念+台風回避というのも、このルートを選択した理由です。
また、大洗でフェリーに乗りそびれて青森まで自走する羽目になった「ばくおん!!」の女の子たちに倣っていくというのも、面白いかと思ったんですよね。
今、考えれば、頭のネジがはずれていたんだなと思います…。(笑)
台風の進行の速さを嫌って大洗を早めに出発。
ひとまず、アニメ「ラブひな」のロケ地、銀山温泉(山形県尾花沢市)の雰囲気を味わうため、日光や会津を抜けていくルートを行きます。
9月の初めだというのに道中は非常に寒く、大洗でで着替えたフリースジャケットが役に立ちました。
夜通し走ると次第に陽が昇り始め、明るくなるとそこはもう山形県。
銀山温泉は秘境のような温泉で、鳥のさえずりと川の瀬音が、歴史ある建物の雰囲気と相まって、とても深い旅情を感じさせるところでした。
温泉街のひなびた雰囲気を堪能したところで出発。
ここからは、ひたすら青森フェリーターミナルを目指します。
途中、鳥海山系→由利高原を駆け抜け、日本海側へ。
国道7号の海沿いをずっと北上し、途中青森へと続く秋田自動車道の無料高速を走ります。
お昼近くなって、ようやく見えてきた「青森フェリーターミナル」への案内標識に安堵しながら14時過ぎに青森港到着。
14時20分の出港時間に焦りながら手続きし、休憩の間もなくあたふたアタフタと乗船。
青森から函館までの4時間。
1か月近く滞在した本州に別れを告げ、夜通し走り続けた僕とレイは、しばしの休息となりました。
函館到着後は女満別へ=ライダーとしての里帰り
19時近くに函館到着、「ばくおん!!」でも泊まっていた「函館ゲストハウス ウィロビー」に一泊します。
函館でも「聖地」をめぐりました
夜通し何も食べずに走り続けてたので、ここでチェックインを済ませ、夕食を求めて函館ベイエリアを散策。
まずは地元で有名なハンバーガーショップ、「ラッキーピエロ」でハンバーガーを食した後、
地元コンビニ「ハセガワストア」の焼き鳥弁当を食べてはしご。
どちらも初めて食べましたが、美味しくいただいて満腹です。
この時点で宵も深まり、疲れていたので宿に戻ったあとは記憶が飛ぶほど爆睡。
朝起きるとやはり北海道、夏でも朝は肌寒いです。
札幌の自宅は素通りして富良野を目指します
北海道上陸後、2日目からのルートはこんな感じ。
函館ゲストハウス ウィロビーを後にした僕は、「ばくおん!!」北海道ツーリング編に出てきた水無海浜温泉➀を目指します。
この温泉はなんと海岸の岩場にひっそりとあるため、入れるのは引き潮の時だけ。
しかし、この時は台風接近の影響で波が高くなっていたため、温泉は海の中でした。
混浴可能なので僕には入る勇気がありませんが、きれいな景色を眺めに来るだけでも楽しいかもしれません。
この景色を後に、僕は噴火湾に沿って北上を続けて途中の「鹿部(しかべ)道の駅」②で休息。
ここにはなんと、10分に一回噴き上がる間歇泉(かんけつせん)があるんですよ。
有料ですがとても迫力があり、湯熱でかなり温かくなります。
鹿部を後に噴火湾沿いをひたすら走る私とレイ。
途中、お昼休憩にはもともと計画していた長万部(おしゃまんべ)③で、かに飯を食べました。
¥1,200と学生の僕には厳しいお値段ですが、ここは長万部。
食べずして帰るのはもったいない!
やはり価格だけのことはあり、かにがギュッと敷き詰められていてとてもおいしいですよ。
さらにここから洞爺湖④や支笏湖⑤を通り、札幌の家のすぐそばを素通りして富良野へ。
日没後の真の闇の中をひたすら走り続けて、20時頃にやっと上富良野のライダーズハウスヒグマに到着。
このライダーハウスは1泊光熱費のみで500円と格安です。
管理人さんは、狩猟もやられていた方で、エゾシカやヒグマのはく製などもとある部屋に置いてありました。
目隠しをされてこの部屋に通されるのがここの定番。
目隠しを外すと目の前にヒグマが現れるという嗜好です。
かなり大きいですが、これでも若い方なのだとか…。
目的地は僕のバイクライフ始まりの地、女満別
朝は、同じく宿泊していたサイクリストの方とほぼ同時に出発。
お互いに無事を祈りながら別れの挨拶をして、重成さんのお仲間が住む女満別へと出発。
富良野からは、大雪山系を迂回するルートを通らなければなりません。
愛別(あいべつ)から瀬戸瀬(せとせ)まで無料高速を使い、遠軽(えんがる)→北見→女満別(めまんべつ)へ。
お昼過ぎに、女満別にある重成さんのお仲間のお店に到着。
お会いするのは冬以来。
当時はまだ免許がなかったので、自分のバイクで尋ねるのは初めてになります。
重成さんが待つ宿泊先の「EZOライダー」に向かう道中、まずは二人で霧に包まれた美幌(びほろ)峠を抜け、
道東の定番と言われるらーめん、「弟子屈(てしかが)」で遅い昼食。
その後「EZOライダー」に到着し、重成さんとの再会を果しました。
重成さんのトレードマークの黄色いナナハンカタナと、半年ぶりにそろった僕のバイクの師匠方。
EZOライダーは僕にとって、バイクライフ始まりの地。
ここまでの足跡はFacebookで常にアップしていたので、彼らは僕の本州での走りっぷりも見ていてくれていたそうです。
皆さんも僕が自分のバイクで来たことを大変に喜んでくださいました。
家族のようで愉快な方々です、本当に。
この日は、本州からずっと逃げてきた台風追いつかれ、雨が激しくなったので外出はキャンセル。
代わりに、近所でキャンプ中のライダーも一緒になって居酒屋で飲んでしゃべった楽しい5日目の夜でした。
さて、ここまでの5日間はまだ前半。
次回は後半、自宅に到着するまでの4日間をお届けします。
突然のハプニングにも負けず、もっと走り続けるのでお楽しみに!
※この文の中で、僕は疲れをおして走行していますが、皆さんはまめに休憩を取って安全にツーリングをお楽しみくださいね!