目次
前回までのあらすじ
こんにちは!北海道の大学生ライダー、板倉貴徳(いたくら たかのり)です。
モーターサイクルナビゲーターでは 、シリーズとして僕の体験記を書かせてい頂いています。
前回は、バイクの免許を取得する前に体験させていただいた、北海道ならではのバイク遊びついて書かせてもらいました。
この記事をまだお読みでない方のために、前回のおさらいをしておきますね。
2017年、僕は音楽の先生を目指して北海道は札幌近郊の大学に入学しました。
入学当初はまだバイク免許を持っておらず、その日見かけたバイクをあれこれレポートする「バイクウォッチ」というのをFacebookで発信していたんです。
そんな僕のタイムラインは、日に日に暖かな励ましの声をいただけるようになっていきました。
そして、その中のお一人から「夏休みにバイク体験をしにおいで」というお声をいただいたんです。
そのお誘いに甘んじて、僕は女満別にある広大な私有地の中で、人生初バイクとなるオフロード体験をさせていただきました。
さらに2018年の2月、その方のお招きで雪原となった女満別に出かけ、スノーモービルやスノーバイクなど、北海道ならではの体験させていただいた、というのが前回のお話です。
やっぱり道産子ライダーの楽しみ方って半端ないですね。
さて、これまではこんな風に、僕が免許を取る前のことを中心にお話を進めてきました。
そしていよいよ今回からは、晴れて普通自動二輪免許を取得し、手に入れた愛車との哀愁の物語をお話していこうと思います。
サイズで選んで「縁」を感じたXR230との出会い
北海道で真冬のバイク遊びを楽しんで1か月後、頑張って貯めたバイト代で教習所に通い始めながら、いくつかのバイク屋さんで愛車の候補をあれこれ物色。
「あっ、これ気になるなぁ」と思えば、何度もバイク屋さんにいって眺めていたものです。
しかし、バイクにあこがれるだけの日々は、GWが明けるとともに終結。
念願の免許を取得し、なんと免許証を受け取ったその足で、既に契約していたHONDA・XR230(‘05)を納車しました。
実は僕は最初、ヤマハのセロー250が欲しいと思っていたんですよね。
ではなぜ230㏄のこのバイクに落ち着いたのかというと、それは前回の記事でお伝えした夏のバイク体験が大きく影響しています。
前回の記事内ではお話しませんでしたがこの時、写真のXR100の他にフルサイズのXLR250にほんのちょっとだけ乗らせていただいたんです。
この夏の体験を体が覚えていて、バイクはやっぱりオフ車がいいと思っていたんですが、やっぱり足が届かないバイクを扱うのが難しいものですね。
そこで、実際にショップに行って両足を付けて乗れると評判だったセロー250に跨ってみたのですが、830㎜というオフ車にしては低いシート高も、僕の脚では片足つま先立ち。
なのでシート高にはこだわって、あきらめずにネットでいろいろなバイクの物色を重ねるうち、少し車格の小ぶりなセロー225とXR230の存在が気になりはじめました。
それぞれの諸元表を見てみると、セロー225のシート高は810mm。
XR230はそれよりも低い805㎜です。
なので、狙うならこのあたりだろうと思ったんですよ。
そこから数か月の時が過ぎ、季節は真冬の北海道。
教習所に通いだして間もないある日、たまたまレッドバロン新札幌にXR230が入庫したという情報をキャッチしました。
実はこの時、札幌は猛吹雪だったのですが、どうしてもそのXR230が気になってレッドバロンさんに見に行ったんです。
店員さんはとても親切にしてくれて、またがらせていただいた上、エンジンもかけさせてもらいました。
思った通り、XR230の足つき性はダントツ。
両足がペタッとつくし、セローのようにトレッキングバイクとして扱いやすい。
この時点で空冷単気筒のエンジン音とこの丁度いいスペックに、心を完全に奪われてしまい、
「もう、この子を他の誰にも取られたくない」
とすら思うようになりました。
いわゆるこれが「ひとめぼれ」というやつなんでしょうね。(笑)
早速そのXR230を取り置きをしてもらい、仮契約。
実はその時点でもセロー225の誘惑に若干後ろ髪をひかれる思いもあり、教習所に通いながらもセロー225を同時進行で探してもらってはいたんですね。
しかし、「縁」とでもいうべきなのか結局セロー225は入庫しませんでした。
こうして本命のXR230を本契約し、免許取得と同時に納車とあい成ったわけです。
かくして、免許取得前からオフロードで始まった私のバイクライフ。
ここから思いっきり広がっていきます。
XR230につけた愛称は「レイ」!期待通りの走りが嬉しかった
納車して初回点検まではあまり走らなかった、というのは良くある話。
しかし、僕の場合は手に入れてからすぐ軽くツーリングしたり、林道に行ったり、納車5日後には高速を走ったりしてますから、「例外」というやつになるのでしょうか。
と言っても、北海道は行きたいところに行こうと思えばどこも片道50km超えですので、初心者として最初は遠慮していた方です。(笑)
そんなこんなで初回点検の目安もあっという間に到達。
このころにはXR230も愛機としてすっかり馴染んできたので、僕はこの愛すべきXR230に「レイ」という名前を付けました。
そのころからは、隙あらば遠出したり林道に行ったりツーリングを計画したりと、猛烈にレイと旅に出ていましたね。
初めて計画を立てて行ったツーリングは、2018年6月に行った洞爺湖・支笏湖周遊ツーリング。
予定よりスケジュールは遅れたものの、初の峠越えもあったこのツーリングは、天候は大変良く、素晴らしい景色も見れたて楽しかったし大成功。
僕は免許を取る前からelfのシューズを持っているのですが、このシューズに合わせてelfのメッシュジャケットやメッシュグローブを買いそろえ、この度の間もずっと愛用していました。
↑2017年夏のバイク体験で新品なのに泥だらけになった僕のelfシンテーゼ
まだ数カ月しかたっていませんが、長距離ツーリングや、林道攻めもしていたので、もう泥だらけです。
こうして乗れる日はガンガン乗り続けていましたが、2018年の7月は「蝦夷梅雨(えぞばいう)」という気象現象で、雨の日が多かった北海道。
それはもう、ツーリングに行けない日々が続いて少しフラストレーションがたまる日々でしたね。。
そしてやっと長雨のやんだ夏の北海道。
富良野はラベンダーの時期を迎えてしまいました。
2018年7月15日の富良野・美瑛ツーリング。
さすがは観光地。お客さんで埋まってましたよ。
このツーリングでは、美瑛町にある青い池という池が定番と言われていたので、ついでに見に行きました。
これが、「ついで」というのも失礼なくらい、想像以上の美しさ。
『 北海道にいてよかったなぁ』と、つくづく思いましたね。
もはや頭の中は走ることで一杯
大学もやっと夏休みになり、長距離ツーリングの日々。
フェリーで地元長野に帰省するまであと1週間。
その間準備のためにツーリングバッグとスマホ充電用のUSBポートをレイに装備しました。
そのあとも色々と準備を進めていましたが、走りたい気持ちを抑えきれず、2回の道内ツーリングを連日で敢行。
その一つとしていったのが積丹半島ツーリングです。
積丹ブルーの海に見惚れて写真があまりないのが残念ですが、こんなに晴れた気持ちの良い青空の下、風を感じて走れたのは本当に気持ちよかったですね。
もう一つは、日高・十勝方面へ日勝ツーリング。
そこでは、YouTuberライダーに出会ったり、
映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地に行ったり、
日勝峠をゆったりと走って、
おいしいとんかつを食べに行ったり…、
とにかくレイのおかげで、充実した二日間になりました。
割とハードな道内ツーリングを帰省前に終えて、本州上陸前に「レイ」の点検。
すでに納車から8,000㎞というとんでもないペースで走っていましたが、流石はHonda様、特に問題も見つかることなく無事に点検は終了です。
ついにフェリーでバイクでは初の帰省
今まで徒歩での乗船は何度かしていましたが、バイクと一緒に行くのは初めてのこと。
載せるときに少し緊張しましたが、レイも難なく乗船完了。
目指す郷里は夕日の向こうです。
僕の郷里は長野県の上田市ですから、最寄りの港は新潟港になります。
いつもお世話になってる港です。
ここからはスマホのナビを頼りに新潟→柏崎→直江津→長野→上田と、少し遠回りをしながら故郷へ。
直江津では有名なラーメン屋さん「ニューハルピン」にも行ってきましたよ。
長野市から上田まではいつもの見慣れた風景。
しかし、いつもとは違って初めてバイクの上から見た故郷の街並みは、どこか新鮮に感じました。
故郷に帰ってきたばかりだというのに、頭の中はバイクのことでいっぱい。
どこへ走りに行こうか、実家では毎日スマホとにらめっこです。
大学の夏休みは長く、一か月は本州に滞在するので、行けそうな地方はどんどんツーリングに行くことにしました。
本当は金銭的な面も考えてのことでしたが、全部下道(したみち)というのも味のうち…ですからね。
レイとの夏はまだまだ長い
さて、ここまで吹雪の中のバイク探しから、真夏に行ったハードなツーリング、そして区に乗って初めての帰省まで、様々な体験記をお届けしました。
実はこの夏休みの旅、ここまでははほんの序盤にすぎません。
次回では、北海道に行ってご無沙汰してしまっていた信州組のリーダーとの再会や、他ツーリングに参加させていただいたお話など、バイクを通して拡がった世界についてお伝えします。
どうぞお楽しみに!