Kawasaki NinjaZX-10Rシリーズ全3車種の日本仕様を3月1日に同時発売へ
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年型0Rシリーズ3種揃って国内発売へ!

Kawasakiモータースジャパンは、海外向けモデルとして2018年に発表した、Ninja ZX-10Rシリーズ3車種をの日本国内仕様を2019年3月1日に発売すると発表しました。

一昔前の国内仕様とは違い、200馬力越えのフルパワーでの国内仕様。

Kawasakiファン必見の諸元データーもしっかりと公開されましたので、合わせてご紹介していこうと思います。

2019年型Ninja ZX-10R シリーズ その凄さとは

モデルバリエーションのあるバイクのスタンダードモデルというと、購入価格を抑えることを優先し、売りである機能をある程度妥協しながら購入する印象も無きにしもあらず。

このNinjya ZX-10R KRT EDITION(Kawasakiレーシングチームエディション)も、今回発売されるZX-10Rシリーズ3車種の中ではスタンダードモデルというポジション。

しかし、スタンダードモデルながら、一切妥協のないモデルだというのは間違いないでしょう。

「売り」はフィンガーフォロワーロッカーアームの採用


上の図でライムグリーンで示されているのが、そのフィンガーフォロワーロッカーアーム。

実際にライムグリーンの塗料が塗られているのではなく、ここにはDLC(ダイヤモンドドライカーボン)がコーティングされ、耐摩擦性を確保しています。

このフィンガーフォロワーを採用することにより、従来のタペット直押し方式よりもバルブ作動部の質量が20%減少したことで、フィーリングが向上。

さらに、バルブ開閉速度を速めたことで、2018年モデルより3psアップの203psを実現しています。


また、シリンダーヘッドはレース参戦時を考慮し、あらかじめレーシングキットパーツに含まれるハイリフトカムへの換装を容易にするハイカム対応ヘッドとなっています。

これまでこのヘッドはZX-10RRのみでしたが、この2019型からシリーズ3車種すべてに採用されました。


恐らくバイクの外観としては見えないであろう赤く塗装が施されたシリンダーヘッド。

ここは開発陣の気合の程をうかがい知るところですね。

バランスフリーサスを搭載

前後足回りには、先代モデルに引き続きSHOWA製バランスフリーサスペンションシステムを搭載。


これは、減衰力発生機構をシリンダー外側に配置して加圧することで、作動バランスの最適化を図るかなり高度なサスペンションシステムです。

また、ブレーキにはブレンボM50モノブロックキャリパーを採用。

さらに、このブレーキはスーパースポーツ向け高精度ブレーキ制御技術KIBS(カワサキインテリジェントアンチロックブレーキシステム)によって制御されます。

全モデルにUP/DOWN両サイド有効のクイックシフター採用

これまで、KQS(カワサキクイックシフター)はZX-10RRのみの装備でしたが、2019年型からはシリーズ全車種に標準装備となりました。


2,500回転以下ではクラッチ操作が必要ということですが、サーキットはもちろんクラッチ操作の回数を減らしてくれるクイックシフターの存在は、ツーリングでも圧倒的に有利。

アップ側のみに対応したクイックシフターも多い中、KQSはアップ・ダウンの両方に対応した形になっているので、ライディングを格段に快適なものにしてくれるでしょう。

ハイパフォーマンスを実現する電制システム

車体の姿勢制御を司るのはボッシュ製IMU。

Ninja ZX-10Rでは予測型/フィードバック型の2種類のデーターを統合制御するトラクションコントロールシステムS-KTRC(スポーツカワサキトラクションコントロール)が採用されています。

さらに、パワーモードは3モード用意されているほか、サーキットのスタートダッシュを優位にするローンチコントロールモードも備えています。

ここまでの内容を見てもわかる通り、このNinja ZX-10R KRTエディションは、スタンダードモデルながら既に相当な能力を持ったモデル。

廉価版としてトップモデルから引き算をしたようなモデルではなく、以下のモデルがこの上さらに、凄さマシマシにしているということにが判ります。

Ninja ZX-10RRは凄さマシマシ

2018年9月、オートポリスで世界に先駆けて発表された2019年型 Ninja ZX-10RR。〔以下〕RR

この発表の模様は以前もお伝えしていました。

基本的にRRは先述のKRTエディションをベースにしたモデルになりますが、ホモロゲーションモデルとして魅力ある変更が盛り込まれています。

ホモロゲーションモデルの気合

RRはWSB参戦を視野に入れた世界で500台が限定生産されるホモロゲーションモデル。


それを示すように、RRのトップブリッジ上にはシリアルナンバーが刻まれています。

ちなみに、このトップブリッジ上に鎮座しているのはオーリンズ製の電子制御ステアリングダンパー。

速度や加減速の状況によって減衰力が変わる高性能な電子制御ステアリングダンパーです。

実はこのダンパーはRRだけではなく、シリーズ全車種に標準装備されているのですから、ZX-10Rシリーズの強さを感じる部分ですね。

RRだけのパワー感

また、RRは、他のバリエーションモデルとは違い、勝つことにこだわったスペシャルエンジンを採用。

主な内容として、コネクティングロッドをチタンコネクティングロッドに変更している点に注目です。


このチタンコンロッドは宇宙工学部品を製作するPankl(パンケル)社製。

1本あたり102gの軽量化を実現させつつも、相当な高負荷に耐える設計がなされています。

これによって高回転域がさらに伸び、RRの最高出力は他のバリエーションモデルよりも1psUPの204ps。

フィンガーフォロワーロッカーアームを擁する基本構造はスタンダートモデルと同じとしていることから、このスペシャルエンジンも、猛烈なパワー感を従順に操れる楽しさを持っているのだと思います。

足回り強化で、コーナーの切れ味に期待

バランスフリーサスペンションシステムは、RR専用にサーキット向けのセッティングが施されたものになっています。

その上、タイヤはRRのみピレリのディアブロ・スーパーコルサSPを標準装備。

さらに、ホイールはスタンダードがアルミ3本スポークであるのに対し、RRは前後マルケジーニ製のアルミ鍛造ホイールを装着しています。

「えっ、マルケジーニといったら、マグネシウムホイールでしょ?」

という方のためにKawasakiに問い合わせたのですが、同じ強度を求めると、今はマグの方が重くなってしまうのだそうです。

いずれにしても、これによりホイールの操縦性が軽くなり、切れ味の良いをコーナリングを楽しめることと思います。

Ninja ZX-10R SEには最新テクノロジー満載

昨年のEICMA(ミラノ国際モータサイクルショー)で発表になったNinja ZX-10R SE。(以下SE)

頭のいい脚、SHOWAと共同開発 の最新電子制御サスを採用

SEのウリはなんといっても、SHOWAと協働開発の電子制御サス、KECS(カワサキエレクトロニックコントロールサスペンション)の採用です。

このシステムはBFFとBFRCサスをさらに発展させて、電子制御化したもので、サスにストロークセンサーが内蔵されているのが凄いところ。

このため、既に一般的となっているIMU(慣性計測装置)による「予測制御」以外にも、サスの動きをリアルタイムに「実測制御」して統合するため、素早い減衰力調整が可能。

路面や走行状況に合わせて瞬時に減衰特性を最適化し、ベストな路面追従性を実現しています

ZX-10R SEには自己修復塗装を採用


ブラックにライムグリーンのラインが入るのがSEのカラーデザイン。

実は、図のように、傷つきやすいタンク周りには、NinjaH2 SE等にも採用されている、「ハイリーデュラブルペイント」という特殊塗装が施されています。

浅い小傷程度に限られるそうですが、コーティングの柔らかい部分と硬い部分を化学的なばねのように機能させて傷を自己修復するという凄い塗装なのです。

※コーティングが元に戻るには1週間以上かかる場合もあるとのこと。
また、コインや鍵、ジップファスナーなどによる深い傷は修復でき無ないので、過信は禁物です。

新型Ninja ZX-10Rシリーズが「RIDEOLOGY」を体現する

2019年1月にKawasakiが東京・秋葉原で行った「カワサキモーターショー」。

この中ではZX-10R SEが、惜しげもなく跨り可能な展示車として公開されていました。


やはり実車は写真で見る以上に美しい機体。


この写真だけでも、カタログ写真とは雰囲気が違いますよね。


跨ってみると、フレームは実にがっちりとしていていて、腿周りの形状が馴染み、SSとして乗りやすいポジションが印象的でした。

最近のスーパースポーツモデルの多くは「誰が乗っても扱いやすいこと」を開発の指針としています。

Kawasakiもまた、「RIDEOLOGY(ライディオロジー)」というテーマ掲げ、

  • 「強さと優しさを共存させる」
  • 「操ることを悦びにする」
  • 「あらゆる可能性に挑戦する」

という3つをモノづくりの指針としています。

メーカーの発表を見る限りでは、かなりパワーや迫力といったところを強調している印象を受けます。

しかし、電制パーツの繊細な内容に加え、実際に跨ってみた感じからも、Ninja ZX-10RにはRIDEOLOGYが示す強さと優しさ」を実感できる車種だと思います。

2019年型Kawasaki ZX-10Rシリーズ3種主要諸元および価格

※スマホの方は画面を横にされた方が見やすいかもしれません。↓

Ninja ZX-10 主要諸元3機種比較 
車名(通称名) Ninja
ZX-10RR
Ninja
ZX-10R SE
Ninja
ZX-10R KRT EDITION
型式 2BL-ZXT02E
全長x
全幅x
全高
2,085mm×740mm×1,145mm
軸間距離 1,440mm
最低地上高 145mm
シート高 835mm
キャスター/
トレール
25.0°/107mm
エンジン種類/
弁方式
水冷4ストローク並列4気筒/DOHC4バルブ
総排気量 998cm³
内径x行程/
圧縮比
76.0mm×55.0mm/ 13.0:1
最高出力 204PS/
13,500rpm
ラムエア加圧時:213PS/
13,500rpm
203PS/13,500rpm
ラムエア加圧時:
212PS/13,500rpm
最大トルク 115N・m
(11.7kgf・m)/
11,200rpm
114N・m(11.6kgfm)
/11,200rpm
ホイールトラベル 120mm
114mm
タイヤサイズ 120/70ZR17M/C (58W)
190/55ZR17M/C (75W)
ブレーキ形式 デュアルディスク 330mm (外径)
シングルディスク 220mm (外径)
ステアリングアングル
(左/右)
27°/ 27°
車両重量 206kg 208kg 206kg
燃料タンク容量 17L
乗車定員 1名 2名 2名
燃料消費率(km/L)※1 21.0km/L(国土交通省届出値:60km/h・定地燃費値、1名乗車時) 21.0km/L(国土交通省届出値:60km/h・定地燃費値、2名乗車時)
16.8㎞/L(WMTCモード値 クラス3-2、1名乗車時)
最小回転半径 3.4m
カラー ライムグリーン(GN2) メタリックカーボングレー×メタリックフラットプラチナグレー(GY2) ライムグリーン×エボニー(GN1)
メーカー希望小売価格 2,926,800円
(本体価格
2,710,000、消費税
216,800)
2,656,800円
(本体価格
2,460,000、
消費税
196,800)
2,062,800円
(本体価格
1,910,000、
消費税
152,800)

全車ETCはオプションです。

諸元参照元;カワサキモータースジャパン

高価ではあるものの、トップモデルのRRがかろうじて200万円台に収まっているなど、ライバル車種と比べても良心的な価格設定なのではないかと思います。

いづれ、実車に触れることができれば、インプレッションをお届けしますのでお楽しみに!




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