イタリア・ミラノで11月6~11日まで開催されていたEICMA (国際モーターサイクルショー)2018。
この中でホンダは2019年に向けた新型車5車種を発表しました。
発表されたのは
- CB650R
- CBR650R
- CBR500R
- CB500X
- CB500F
のCB・CBRファミリー。
今回はこれらについて簡単にご紹介したいと思います。
目次
CB650R
ホンダは昨年のEICMA でCB1000R発表し、1960年代のイギリスで流行したいわゆるカフェスタイルを最新のバイクの中に融合させた、「NEO SPORTS CAFE(ネオ・スポーツカフェ)」という新しいジャンルを提唱しました。
以来CB125RやCB250Rなどの小排気量車にもシリーズを拡充させ、それぞれに好評を得ています。
モーターサイクルナビゲータの中では先日パリのモーターショーで発表となった、CB650Fのコンセプトモデルの話題をお伝えしました。
これまでシリーズの中では空席となっていたネオ・スポーツカフェのミドルクラス。
その期待は大きいものでしたが、いよいよEICMAでその姿が公開されました。
CB1000R同様、アイコニックライトを持つLEDヘッドライト、これはなかなかカッコいいですね。
ましてホンダを愛し続けているライダーならば、
初代CB400FOURの面影の残るこのエキパイの配列は悶絶もの。
310mm径のフローティングディスク、41mm径を持つSHOWAの倒立サスペンションとそこにラジアルマウントされるキャリパー。
これらが現代のスポーツバイク然として、きれいにまとめられた4本のエキパイとともにある景色はとても美しいものです。
そのエキパイの先のサイレンサーも、シリーズに共通するショートサイレンサーとなっていて、クロームの磨き上げられた品感を感じます。
左右に配置されたアルミのラジエーターサイドも同様に、ヘアライン加工によるマッドな輝きが渋さを醸し出していますね。
メーターはLEDバックライトを備えるLCDメーター。
ちなみに上はCB1000Rのメーター、下がCB650Rのものです。
大まかなデザインは同じ。
Hondaセレクタブルコントロールシステム搭載し、パワーモードやトルクコントロールなどの設定もこのメーターで行うことができます。
CB650RではCB1000Rよりも若干シンプルになって見やすくなったような印象ですね。
テールデザインも兄貴分CB1000Rと同じく「カフェ」の流れを汲むショートデザイン。
ここにはCB1000Rと同様に、50km/h以上で走行時、急ブレーキ操作をマシンが検知した際、自動的に前後のハザードランプを点灯させる
「エマージェンシーストップシグナル」も装備されています。
映像参照元;ホンダ技研工業/CB1000R/主要装備/エマージェンシーシグナル
CB1000Rが片持ちリアスイングアームであるのに対し、こちらはアルミの両持ち。
サスペンションは前後フルアジャスタブルでスポーツ性能も重視。
エンジンは649㏄、70kw(約95ps)/12,000rpm・64Nm/8,500rpmで車両装備重量は202kg。
ちなみに、CB650F(日本仕様)が66kw(90ps)/11,000rpm・64Nm/8,000rpmを上回り、208kgですから、比較するとネオスポーツカフェへその進化の具合がよくわかりますね。
さらに、スリッパー&アシストクラッチを新たに備えていることから、幅広い走行シーンで使い勝手の良さも発揮してくれると思います。
シート高は810mm。
標準的なスポーツバイクの中でも若干低い方なので、取り回しにも苦労を感じることはなく、アップライトなポジションはツーリングの距離を伸ばしてくれるでしょう。
カラーバリエーションはCB1000Rよりも豊富に4色を用意。
特に、マット・シルバーとマット・ジーンズ・ブルーメタリックは、CB1000Rにはないカラー設定なので、早く現車を見てみたいものですね。
CBR650R
デザイン的にCBR1000RRに似た「吊り目」の印象が強くなったCBR650R。
これまでもCBR650FとCB650Fが共通の車体を持っていましたが、今回のCBR650RとCB650Rの相関関係も同じ。
CB650R同様の310mm径のフローティングディスク、41mm径を持つSHOWAの倒立サスペンションとNISSINのキャリパーをそこにラジアルマウントしているのは同じなのですが、カウルやホイールのラインテープと一緒に見ると、グッとスポーティーな印象に見えますね。
エンジンもまた、CB650Rと同じ約95ps/12,000rpm・64Nm/8,500rpm。
スリッパー&アシストクラッチの装備も同じです。
LCDメーターもCB650Rと共通のものが使われています。
数値上で違いを探ると、
- CB650R;20130×780×1075:全長・全幅・全高
- CBR650R;20130×750×1150:全長・全幅・全高
装備重量はCB650Rよりも5kg増量の207kgとなります。
どちらか迷ってCBR650Rを選ぶとき、この5kg差をダイエットのきっかけにするのも良いかもしれませんね。(笑)
カラーバリエーションは下の通り、
GPレッドのほか、マットパウダー・ブラック・メタリックの2色から選べます。
CBR500R
今回、CB&CBRファミリーは500㏄のシリーズもリニューアルが図られました。
CBR500Rもまた、CBR1000RRに通じるシャープな顔立ちに。
ちなみにこちらは現行CBR400R日本仕様。
比較するとCBR500Rの方が、ライト下のエアスクープが新型の方がせり出して、迫力ある印象になっているのが分かります。
メーターは650のラインと同じデザインのLCGデジタルメーターを採用。
サスペンションはフルアジャスタブルです。
サイレンサーのデザインは現行400に似ていますが、
テールエンドを2つにしたディアルタイプになっているのがポイントです。
また、現行400にはない装備ですが、このCBR500Rにも「エマージェンシーストップシグナル」機構が採用されています。
鋼管製のダイヤモンドフレームに収まるのは471㏄のDOHCパラレルツイン。
スリッパー&アシストクラッチを持ち、最大出力35kw(約48PS)/8,600rpm、最大トルクは43Nm/6,500rpmを発揮します。
ちなみにこの数値は現行400より2PS増し、最大トルク発生回転数も低いもの。
さらに装備重要も2kgほど軽量となっているので、街乗りの使い勝手はかなり良いのではないかと思います。
日本で400㏄となる場合には、なるべくこの500の持ち味を活かしたままのスケールダウンをお願いしたいですね。
カラーバリエーションは3色。
フレンドリーなキャラクターが予想されるCBR500R。
中型でビビッと走らせたい方は、早くこの400に乗ってみたいでしょうね。
これは期待しましょう。
CB500F
500㏄のライン2台目は、CB500シリーズのベーシックモデル、CB500Fです。
基本的にこれはCBR500Rのネイキット版といったところ。
ただ、直線的なデザインはよくまとまっていて、
シンプルながらも、なかなか凛々しい顔立ちです。
メーターは今回発表の車種に共通のデザイン。
ハンドル周りはかなりベーシックな雰囲気ですが、スマホなどのクリップオンパーツを充実させたい人にはかえってありがたいデザインかもしれませんね。
デュアルのテールエンドや、
「エマージェンシーストップシグナル」の装備もCBR500Rと同様。
その他、エンジン諸元などもCBR500Rと同じです。
CB500Fの素晴らしいところは、やはりシンプルで軽いこと。
装備重量189kgというスペックは、使い勝手を考える上でかなり強い味方になってくれると思います。
カラーバリエーションは豊かに4色を用意。
これはかなりカジュアルな感じですね。
日本では既にCB400Fは生産終了モデルとなっており、CB400SFの人気が衰えないものと思いますので、恐らくこのCB500Fが400㏄にスケールダウンされて併売されることはないのではないかと思います。
しかし、このシンプルなライトウウェイトモデルもあってもいいと思いますよね。
あえて500のまま、REBL500と併売というのなら、ジムカーナに使ってみたい気もしまうのは筆者だけでしょうか?
CB500X
ミドルクラスアドベンチャーモデルのCB500X。
日本では400Xとして知られるモデルですね。
こちらもCB500F同様、多くのパーツをCBR500Rと共有しています。
LCGメーターパネルや
デユアルエンドサイレンサー。
そして、
「エマージェンシーストップシグナル」機構も同様。
基本的なエンジンスペックもCBR500Rと同じです。
しかし、まったく同じ車体に別外装を乗せただけかというとそうではありません。
フレームは外見上も微細に異なり、専用のものを使って強度を上げているようにも見えます。
諸元上で確認すると、
- キャスター角はCBR500Rよりも2°寝かせた27.5°に。
- そしてフロントのタイヤサイズが120/70ZR-17M/C→110/80R19M/Cへ。
- タイヤのパターンももちろん専用のデュアルパーパスタイプに。
これだけを見ても、アドベンチャーモデルとしてちゃんと「キャラ分け」されているのが分かりますね。
カラーバリエーションは3色。
CBR500R同様、低回転から使い勝手の良さが期待できるエンジン。
これはアドベンチャーのキャラクターに打ってつけだと思います。
現行400Xのシート高795mmに対して、CB500Xは830mmと若干高くなりますが、400として日本仕様になるときには新型の持ち味を活かしつつ、小柄なライダーへの配慮をお願いしたいですね。
映像引用元;HONDA EU