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EICMAプレスカンファレンスを世界配信
イタリア・ミラノで開幕されるEICMA(ミラノ国際モーターサイクルショー)。
日本時間の午前2時から、ヤマハがフェイスブックを使ってプレスカンファレンスの模様を世界配信しました。
配信を見ながら「おっ!」と思わず身を乗り出すような、素敵なバイクがたくさん出てきましたよ。
では、紹介された順にひとつづつ見ていきましょう。
3CT プロトタイプ
まずは3CTプロトタイプ。
どことなく鳥の頭の様な顔。
シート下にLEDのステッチがあるのがなかなか素敵です。
全体はこの感じで、3輪のLMWになっています。
概要を見てみるとLMWであるのは見ての通り。
「ティルトロックアシスト」は本来自立しないLMW機構を、停車時にロックさせ、ライダーが車体を支えなくて済むようにする機構だそうです。
排気量300㏄のブルーコアエンジンということですから、要するにX-MAXの3輪版といったところみたいですね。
先日試乗させていただいたX-MAXはスポーツスクーターとしてとても楽しい乗り味でした。
今回はとりあえずLMWの車種拡大をアピールするプロトタイプということですが、X-MAXがLMWになるとすれば、道を選ばずに楽しめる素晴らしい乗り物になると思います。
スポーツスクーターは世界的に需要を拡大しているということですから、これは欧米でもかなり人気が出るのではないでしょうか。
YZF-R3 GYTR
次に紹介されたのがインドネシアで生産され、世界中に多くのファンを持つYZF-R3
こちらは既に先月ラスベガスで発表となり、
こちらの記事でお伝えした時も大きな反響をいただきました。
Rシリーズの血統を前面に打ち出したデザイン。
2眼のLEDヘッドライト。
シャープになったタンクデザイン。
最高速+8km/hを可能にしたエアロデザイン。
新採用のカヤバ製倒立サスとリアショック。
これは早く日本で見たいものです。
サーキットへのエントリーバイクとしてのR3をアピールするべく、新型R3のワールドスーパバイク選手権のビギナークラスWSS300仕様車が登場。
WSS300を戦うグラング・ヘンドラ・プラタマ選手とともに紹介されました。
オーリンズの前後サスを備え、
アクラポビッチで武装した姿。
これはなかなかカッコいいものですね。
NIKEN GT
9月に受注予約が開始となったばかりのNIKEN。
納車を心待ちにしている方もいらっしゃると思いますが、NIKENにもうワングレード上のモデルが登場しました。
その名もNIKEN GTです。
一見カラーリング変更だけのようにも見えてしまいますが、GTとしてツーリングに嬉しい性能をアップさせたモデルになっています。
外観上、大きな違いは片側25リッターのサイドケースがついたこと。
よく見るとタンデムシートのグラブバーも大きめのものになっています。
そしてスクリーンもウインドウプロテクションの高そうなラージタイプに。
スタンダードのNIKENには無かったセンタースタンドも追加されていますね。
トレーサーでオプションになっているコンフォートシートもついているとのことで、長距離ツーリングでも距離を伸ばしやすくなっているようです。
この角度で見るボディーカラーはきれいですね。
そしてスタンダードではブルーだったフロントフォークがゴールドになっている点が見分けポイントになるでしょう。
ただ、トレーサーGTもヨーロッパでは標準装備のサイドケースが日本ではオプションだったりしますから、今後日本で発売される際には装備内容も変わってくるかもしれませんね。
XSR XTトリビュート
そもそもXSR700はMT-07を懐かしいXSの風貌に仕立てた「ネオレトロ」モデル。
そしてこうしたユニークなデザインを手がけてきたヤマハのデザインブランド「FASTER SONS」がもう一つ、やってくれました。
その名はXSR XTトリビュートです。
そうです、あのXT500をXSR700で作ってしまったら、
こんなにかっこよくなっちゃうんです!
概要としてはこんな↑感じで、
タンクの色はXTそのもの。
テールランプを小径にこだわったLEDにして、
マフラーはアップにしてアクラポビッチを装着。
さらにピレリーのMT65RSタイヤを履かせてオフ車っぽく仕上げています。
どことなくスクランブラーな感じで、これはXSR700以上に楽しみが広がりそうです。
Tenere 700
MT-07の270°クランクエンジンがオフ車に。
2016年にコンセプトモデルが発表になり、2017年には砂漠の伝説と言われる「テネレ」の名を冠し、今年その市販版がついにお目見えしました。
このテネレ700を待っていたと言う方も多いのではないでしょうか?
概要としては、MT-07譲りのCP2エンジンに専用セッティングが施され、前後フルアジャスタブルサスを装備。
タイヤ才伊豆は前21インチ後ろ18インチで、選択式ABSを装備しているとのこと。
燃料タンク容量が16Lで、航続距離が350㎞。
ラリースタイルのマルチファンクションメーターがついている。
といったことが読みとれます。
4眼となるLEDヘッドライトも斬新。
これは地平線に向かって果てしなく駆けていきたくなりますね。
究極の市販レーサーYZF-R1 GYTR
やはりヤマハで忘れてはいけないのが、YZF-R1。
今年初代誕生20周年を8耐優勝で祝ったのも記憶に新しいところです。
今回はYZF-R1GYTRというサーキット専用モデルを、R1誕生20周年を記念して20台限定で発売すると発表しました。
ステージ上にこのR1 GYTRをあって登場したのは8耐でエースナンバー#21を駆ったマイケル・ファンデルマーク選手。
チームのマシンに乗ってきたのではなく、限定とはいえ、これを市販すると言いますから驚きです。
見かけはまんま8耐参戦車。
専用のオーリンズサスで武装され、キャリパーもブレンボのレーシングモノブロックになっています。
カウル内側を見ると、その素材はなんとカーボンは綾織です。
フレームには「レース専用部品」と日本語で書かれているのがユニーク。
ちなみにこの写真は2018年の夏、赤坂で行われたYAMAHA8耐直前イベント取材時に展示されていたモノホンの8耐参戦車です。
タンクは耐久仕様で、大きさが普通のR1とは全然違います。
そして、テール部分にECUがあるのかちょっとゴツッとした大きさになっていて、ここにはコネクタージャックの穴が設けられているんです。
そしてこれが今回のGYTR仕様。
ほぼほぼ同じであることがお分かりいただけますでしょうか。
外観で確認できたことを含めてGYTRの内容は上記の通り。
- 8耐に参戦した20周年記念車と同じ外観
- ECU/CCU/クイックスロットル/ワイヤーハーネス等がGYTRのレーシングパーツ
- セッティングのオーリンズサス
- ブレンボのブレーキシステムを採用
- レーシングラジエーター装備
- アクラポヴィッチ製チタンフルエキゾーストを装着。
- ヤマハオフィシャルチームによる生産
- YAMAHA Racing Experienceへの参加権込み
- レース専用車
これはもはや究極の市販レーサー。
このR1でタイムを出せない人がいたら、その言い訳を聞いてみたいものです。
一般向けのスーパースポーツは今回動向がありませんが、LWMの拡充やバイクの楽しみの間口を広げようというのが今回のEICMAにみるヤマハの方向性のようですね。
最後は日高社長やEUの部長さんたちが集まってサムズアップ。
これからのヤマハに期待しましょう!