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EICMAを前に早々登場
11月8日からイタリア・ミラノで開幕するEICMA(ミラノ国際モーターサイクルショー)。
今年も世界の二輪メーカーが多くのニューモデルを発表予定です。
DUCATIは5日、このEICMAを前に独自の新作発表イベント「DUCATI world premia」を開催。
世界に先駆けてスーパースポーツモデル、パニガーレV4Rを発表しました。
V4サウンドを轟かせながら壇上に現れたパニガーレV4R。
これを駆るのはDUCATIでスーパーバイク選手権(SBK)を戦い、今期ランキング2位のチャス・デイビス選手でした。
パニガーレV4Rは2019年のSBK参戦車のベースモデルとなるバイク。
チャス・デイビス選手も来期への意気込みとともに、新しいマシンへの期待を語っていました。
機能を持ったその外観
MotoGPマシン、ディスモセディチGP16のそれをリファインしたというウイングレット。
これはまさに、V4Rの勝利への熱量を物語るポイントです。
これは決してファンションとして取り付けられたのではなく、
DUCATI・CORSEが独自のエアロダイナミクスから導き出したカウルデザインの一部。
ダウンフォースを向上させ、ウイリー制御やコーナー進入時のブレーキング安定性向上といった、本来電脳が請け負う部分を補助する役割を持っているというから驚きです。
サイドカウルも同様に空力による最適化が図られ、パニガーレV4Sよりも高い放熱効率を確保することに成功しています。
またタンクがシルバーなのは、アルミの地を活かした塗装が施されているため。
これもV4Rのアイデンティティーと言えるでしょう。
驚異的なエンジン
エンジンはパニガーレV4Rは1103ccのパニガーレV4Sのを母体とした、新開発の「デスモセディチ・ストラーダV4 Rバリエーション」を搭載。
これは、ブレーキングに有利な逆回転クランクを持ち、ボアストロークをV4Sよりショートな81mm×48.4mmとすることで、998㏄としたものです。
クランクシャフトを新造し、チタンコンロッドと組み合わせることで1500gの軽量化を実現させています。
ヘッド内はカムシャフトのリフト量を大きくした専用プロファイルチタンインテークバルブを採用。
注目される最高出力は221馬力/15250rpm、最大トルクは112Nm/11500rpmを発生します。
さらにオプションのアクラポビッチ「DUCATI・パフォーマンス・エクゾースト」を装着することで、
なんと13馬力アップの234馬力/15,500rpmにまでパワーを引き上げることが可能。
その際のパワーウエイトレシオは1.42馬力/kg。
これはまさに脅威的な数値です。
前後サスペンションは電制ではなく、フロントは加圧ダンピングを採用したオーリンズのNPX25-30。
リアにも、やはり非電制となるオーリンズTTX36が装着されていて、ホイールもマルケジーニながらマグではなくアルミ鍛造となっています。
電脳はサーキットでの使い勝手を考慮
電子制御にはトラクションコントロールはもちろん、3モードのBOSCH製6軸IMUも装備。
ラジアルマウントされたブレンボのモノブロック・レーシングキャリパーにはコーナリングABSが組み合わされ、安全性を高めています。
サーキットユースを前提にしたパニガーレV4R。
市販車にして面白いのはなんと、ピットレーンでの速度超過を防ぐ「ピットスイッチ」までが完備されていることでしょう。
これは40km/h~80㎞/hまでの必要な速度でリミッターを設定できるというので、サーキットに通う人ならこれは欲しい装備ですよね。
近年はツーリングにやさしいスポーツモデルが世界的に人気ですが、パニガーレV4Rはスーパースポーツの姿を次世代に示すリーディングバイクとなるでしょう。
*日本発売やその時期などは現時点ではわかりませんが、ご紹介した仕様が日本仕様とは変わる可能氏がありますので、ご了承ください。
映像引用元;DUCATI-world-premia