目次
AIMEXPOで新型NinjaZX-6Rデビュー
10月初旬はドイツ・ケルンで行われたINTERMOTOで、KATANAの話題にひとしきり盛り上がったばかり。
その記憶も新しいままですが、アメリカ・ラスベガスでは10月12日からアメリカン・インターナショナル・モーターサイクルエキスポ(AIMEXPO)が開幕しています。
Kawasakはこの中で、新型NinjaZX-6Rを正式発表しました。
続々と新車続くラッシュ。
今回はこの新型NinjaZX-6Rの内容についてお伝えしていきます。
細かな配慮とNinja顔
こちらが2019年モデルのNinjaZX-6Rです。
統一感のあるシリーズデザインへ
ちなみに下が2018年型NinjaZX-6Rマレーシア仕様)の写真。
比較すると、トップカウルの形状が、今年度初めにデビューしたNinja250/400のものに似たデザインとなり、前に突き出した迫力のあるデザインになったのがわかります。
250/400に似ているだけに、大きく口を開けたラムエアインテークダクトの在り方というのが、かなり大胆に見えますね。
今回から二灯ともヘッドライトをLEDにグレードアップ。
街中の昼間時にも、キリっと引き締まった光が目を引くことでしょう。
シート周りに細かな配慮
横からのショットを比較すると、サイレンサーの色やヒールプレートの形状、テールカウルのデザインも一新されているのがわかります。
また、シートの形状にも変更を受けているのが確認できますね。
シート高自体は従来モデルと同じく830mm。
しかしご覧のように、腿にあたる部分が細く山形の形状となったので、足が下におろしやすい形となっています。
タンデムシートにも同じような処理が見られ、パッセンジャーへの細かな配慮も見て取れますね。
「Ninja」の刻印がカッコよくあしらわれていて素敵です。
テールカウル自体もシャープなラインでまとめられ、後端はより尖った形に。
変更されたテールのライトをアップにするとこの雰囲気。
リアビュー全体からは鋭いエッジ感とともに、ボリュームを感じます。
BS-S22で韋駄天の走り
このリアのショットを見て、
「んっ、このタイヤは何?」
と思った方。
お目が高いですね。
新型ZX-6Rでは、ブリヂストンの新作ラジアル「S22」を標準装着タイヤとしています。
筆者もかつてブリヂストンの歴代Sシリーズを愛用していましたが、接地感に優れ街乗りからサーキット走行まで、パシティーの広さが魅力のタイヤです。
その新作タイヤをチョイスしているところを見ると、
アグレッシブなライダーの要求に応えつつ、距離を楽しむライダーもしっかりとハッピーにしてくれる。
ZX-6Rのキャラクターとして、そういった「付き合いの良さ」を垣間見ることができます。
ブラックはかなりダンディー
カラーリングはこのKRTエディションの他に、
精悍なメタリックスパークブラック×メタリックフラットスパークブラックが用意され、リムやサイドカウルなどにあしらわれたライムグリーンのワンポイントが、渋みのあるKawasakiらしさを、さりげなく主張しています。
また、北米仕様には、パルストームグレー×メタリックスパークブラックの配色を施し、ワンポイントにクールなブルーがあしらわれたモデルもあり、こちらもかなりダンディーです。
ユーロ4に順応しつつ最強を堅持
基本的にエンジンは従来モデルを継承しながらユーロ4に順応。
637㏄のパワーユニットが生み出すMAXパワーは130PSとなります。
従来モデルではサイレンサーエンドも大きく出口を開いた形でしたが、新型ではこのようにバッフルっぽい形状に。
131PSだった従来モデルを思えば1馬力減少しているわけですが、これは環境への分け前と考えましょうか。
他車を見てみると
- GSX-R600が126PS
- YZF-R6が118.4PS
- CBR600RRで117PS(US/EU)
37㏄のアドバンテージもあってZX-6Rのクラス最強は堅持されています。
これを受け止める車体も従来モデルを引き継ぎますが、ホイールベースが1395mm→1400mmと5mmほど延長されています。
これは2次減速比(ギア比)がロング化されたことに伴っての変更のようですね。
恐らくこれによって、トップスピードにボリュームが盛られ、コーナーリングの安定感もアップした感じになっているのだと思われます。
今回クラッチレバーにダイアル式の5段階アジャスターがついたのも細かな変更点。
そのクラッチには、アシスト&スリッパークラッチが組み合わされています。
引用元;Kawasaki
これは元々、サーキットでタイムを詰めていくための装備ですが、公道では減速時の後輪を安定させ、悪天候時の走行にも安心感をプラスしてくれるもの。
ツーリングでも、走りに信頼感を与えてくれることでしょう。
更に今回、新型にはKQS(Kawasaki Quick Shifter)が標準で装着されました。
UP側にのみ作用するタイプということですが、クラッチ操作を減らした韋駄天の走りはもちろん、快適性に対しても強い味方となってくれるでしょうね。
メーターパネルは、現行Ninja1000同等のデザインとなり、シフトインジケーターや時計がグッと見やすい形になっています。
デジタルパネルは、パワーモードセレクターなど表示も多才。
IMU(慣性計測装置)による姿勢制御はありませんが、、路面に応じた最適な走りでツーリング中もライダーを不安から解放し、
ひとたびサーキットに持ち込めば、ライダーの闘士に充分応えてくれるでしょう。
既にKawasaki日本サイトには「国内販売予定車のお知らせ」という項目があり、NinjaZX-6Rがその中に紹介されています。
うれしいことに、日本国内仕様にはETC2.0が標準で装備されるとのこと。
身近なシーンでの走りから、サーキットでの異次元の走りにも配慮されたパッケージングとなるわけで、これは期待できますよね。
Kawasakiが続々「カワる、サキヘ」
先日はINTERMOTOで発表された、Ninja125/Z125ン話題をお届けしました。
この車両は日本でも125㏄クラスの価値観を変えていきそうな予感がしますね。
日本サイトでは「カワる、サキヘ」という未来志向のキャッチコピーが印象的なKawasaki。
この先のモーターサイクルシーンを新たに創造してくれそうな期待が高まります。
北米Kawasakiモーターサイクルのホームページを見てみると、
このようにAIMEXPOで公開された車両が既にアンベールされています。
しかし、その後ろにはイタリア・ミラノで11月初旬に開催予定のEICMA〔ミラノ国際モーターサイクルショー〕で公開予定の車両がベールの中に控えているではないですか!
画面下側にはこれらの車両がアンベールされるEICMAのプレスカンファレンスまでのカウントダウンが動いていますよ。
どんなバイクが出てくるのか?
これは猛烈に楽しみです。
ベールの向こうの車両については、モーターサイクルナビゲーターの中で今後お伝えすることになると思いますので、引き続きご愛読のほどよろしくお願い申し上げます。
新型ZX-6R諸元
車名 | Ninja ZX-6R ABS /Ninja ZX-6R |
|
型式 | ZX636GKF /ZX636HKF |
|
全長×全幅×全高 | 2,025mm×710mm×1,100mm | |
軸間距離 | 1,400mm | |
最低地上高 | 130mm | |
シート高 | 830mm | |
キャスター/トレール | 23.5°/ 101mm | |
エンジン形式/弁方式 | 水冷4ストローク4気筒/DOHC4バルブ | |
総排気量 | 636cm3 | |
内径×行程 | 67.0×45.1mm | |
圧縮比 | 12.9:1 | |
始動方式 | セルフスターター | |
点火方式 | バッテリ&コイル(トランジスタ点火) | |
潤滑方式 | ウェットサンプ | |
エンジンオイル容量 | 3.6L | |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション | |
トランスミッション形式 | 常噛6段リターン | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
ギヤ・レシオ | 1速 | 2.846 (37/13) |
2速 | 2.200 (33/15) | |
3速 | 1.850 (37/20) | |
4速 | 1.600 (32/20) | |
5速 | 1.421 (27/19) | |
6速 | 1.300 (26/20) | |
一次減速比/二次減速比 | 1.900(76/40)/ 2.867(43/15) | |
フレーム形式 | ダイヤモンド | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック(倒立) SHOWA製SFF-BP |
後 | スイングアーム(ユニトラック) | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70 ZR17M/C (58W) |
後 | 180/55 ZR17M/C (73W) | |
ブレーキ形式 | 前 | デュアルディスク 275mm (外径) |
後 | シングルディスク 186mm (外径) | |
ステアリングアングル(左/右) | 27°/ 27° | |
車両重量 | 196kg(Ninja ZX-6R ABS) 193kg(Ninja ZX-6R) |
|
燃料タンク容量 | 17L |
*数値は海外仕様での数値ということなので、ETC2.0を装備する日本仕様では若干の増量などがあるかもしれません。
諸元引用元;Kawasakiモーターサイクルジャパン
写真引用元;