バイク座シートを実装!まるでお尻の下にアクティブサスがあるみたい
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パリダカ経験者が絶賛

筆者のマシンはヤマハとしては珍しい教習車のXJR1300L。

実はこのマシン、一般のXJR1300とは違って、最初から40mmダウンのローシートが装着されている短足の筆者にはありがたーい車種なのです。

しかし、逆に言うとシートが40mm薄っくなっているわけで、まとまった距離を走ると、かなりお尻と腰が痛くなるという、ありがたくないオマケも付いています。

先日も友人とツーリングに出掛けたところ、2時間足らずの連続走行で尻・腰が悲鳴を上げてしまいました。

そこで思い出したのはposidrive(ポジドライブ)から販売されている「バイク座シート」

これは「オートバイ用疲労軽減マット」に類するもので、モーターサイクルジャーナリストの柏秀樹先生が絶賛されていたのです。

柏先生はこの商品を様々な形でご活用で、ご執筆をされる際もお仕事部屋の椅子にお敷きになっているそうです。

あのパリダカに複数回ご出場された経験を持つ柏先生なら、シートには特別のこだわりを持ってお話になっておられるはず。

ちょうどそこへ、長距離ツーリング取材の予定が入ったので、筆者も生意気ながらバイクの物書きとしてあやかってみようと購入しました。

最初はあくまで尻と腰の保護を目的に購入したのですが、実際に使ってみるとその「効果」は、もっと意外で面白いところにありました。

「ツーリングでお尻や腰の痛みを我慢して乗っている。」

そんなお尻と腰のお悩みを抱えるライダーはもちろん、ひとクラス上の走りを求めるライダーのために、その驚きの効果をお伝えしていこうと思います。

あえて「素尻」耐久テストを敢行

今回筆者が向かったのは、宮城県石巻市で開催された東北復興支援ツーリング。

東京・多摩の自宅から石巻市の目的地まの往路は、中央道・首都高・常磐道を利用して片道約440kmの道のりです。

仮に休憩を10分にして2回とったとしても、軽く6時間はかかるというロングツーリング。

さらに午前11:00に石巻集合、そこからコバルトラインで牡鹿半島を70㎞程周遊するスケジュールも組まれています。

以前に片道2時間ほどのショートツーリングで音を上げた筆者の尻と腰。

これは尻にとっては危機ですが、バイク座シートの効能を試すには絶好のチャンスです。

「素」の尻は正直だった

最初からバイク座シートを装着してもよかったのですが、装着せずにどこまで自分の尻と腰が持つものなのか?

いたずら心に火をつけて、前半は片道の440kmの中で「素尻」の耐久性を、しり耐と思いました。(笑)

午前4:20ごろに自宅を出発し、国立府中から中央道へ。

やはりエンジンからの細かい振動や、ときより踏み越える路面の窪みなどが小気味に筆者の尻を突いてきます。

そのまま快晴の朝日に照らされながら利根川を渡り、しばらくすると水戸のあたりではもう尻に痛みが現れていました。

これが国立府中から約1時間40分経過した時点でのお話。

『まだまだ許容範囲?』とそのまま粘っては見たものの、やがて尻の痛みはジンジンと激化し、腰にも違和感が現れてきます。

当初は第一休憩ポイントを給油のタイミングでと考え、石巻までの中間点に付近である中郷サービスエリア(自宅から約200km)を目指していました。

が、約160㎞、時間にして約2時間を走った東海PAで耐え切れず撃沈。

東海PAに飛び込んだのは6:26ごろでした。

やはり体は正直なのか「素」の状態では頑張っても2時間が限界。

「しり耐」の名目無しに素直に痛みに従っていれば、素尻は自宅から130㎞付近の友部SAまでがいいところだったかもしれません。

最適化される着座感

東海PAでは痛みの癒えるのを待って約1時間ほど休憩。

その間に、バイク座シートを装着していきます。

装着は簡単で、シートにこうしてストラップをクロス掛けするのが基本。

始めて写真でバイク座シートを見たときには左右にずれることも心配しましたが、こうしてクロスしてストラップをしっかり絞めることでその心配もないわけですね。

ナイロンのストラップには赤い糸で仕切られた3段階の調節穴が設けられています。

ビッグスクーターのような大きなシートでは別売の延長ストラップが必要だそうですが、これならいろいろな車種に装着できるでしょう。

所要3分、あっけないほど簡単な装着でした。

バイク座シート本体の厚みは25mmなので、足つき性に違和感が出ないかと心配していましたが…。

バイク座シートは、ある程度沈み込みながら筆者の体重を受け止めてくれているので、高さ的な問題を感じることはありませんでした。

さらに、太ももにも干渉しないよう座面がサドル型に成型されていてるので、着座位置と足つき性の両面が最適化された感じがありました。

こうして、停止状態で跨ってみただけでも、違いの分かるバイク座シート。

しかししかし、その効果は走行時にこそ発揮されるものでした。

いよいよ装着走行開始

さて、目的地までは残り300km近い道のり。

尻と腰の痛みが癒えたところで、いよいよここからはバイク座シートの走行テストとして、その効能を試していこうと思います。

2時間が経過も尻・腰が平和!

走り出してすぐ面白いと思ったのは、本線合流時にアクセルをグッと開けた瞬間。

通常なら体にかかるGによって、尻はシートに強く圧迫されるものです。

しかし、バイク座シートがグオ~んと沈み込みながら「ケツ圧」をうまく往なしていくれているのを感じます。

それは素尻とは明確に違う感覚。

柏先生が、「バイク座シートは体圧の分散性に優れる」と評価されるわけですが、『このことだったのか!』と思わず声を出して感嘆。

さらに加速を続ける中で、筆者はこの愉快さにメットの中で顔が二ヤけていくのを押さえきれませんでした。

さらに、東海PAから158㎞、時間にして約2時間の地点。

バイク座シートを装着したXJR1300L は、「相馬鹿島SA」に立ち寄ります。

しかし、このとき音をあげたのは尻ではなく、ガソリンタンクと筆者の膀胱。

SAに立ち寄ったのは、あくまでもにトイレと給油のためで、東海PAにいたたまれず駆け込んだ時とはわけが違います。

SAにある「相馬野馬追」の勇壮な看板を見ながらトイレと給油を済ませ、ものの10分でさっさと本線へ合流しました。

通常ならウルトラマンのカラータイマーの様に、きっちり2時間で戦えなくなる筆者の尻と腰。

しかもその癒しに軽く1時間はかかる難物です。

なのに、『そういえば尻も腰も平和だぞ?』と思い出して爆笑したのは、そこからさら約50分後、60㎞ほど北上した「仙台東」通過時のことでした。

素尻の倍は大丈夫

そこからさらに約31㎞程、時間にして30分ほど北上した「鳴瀬奥松島IC」を通過。

バイク座シートを装着していても、流石に尻に疲労感を感じるようになりました。

ただ、それはやんわりした疲労感、東海PAで感じていたへたりこむような痛みとは違う感覚です。

「鳴瀬奥松島IC」は、給油に立ち寄った「相馬鹿島SA」から約94㎞、時間にして約1時間17分ほどの地点。

10程度の休憩があったとはいえ、バイク座シートを装着した東海PAから数えれば、およそ250㎞で3時間15分ほどの地点になります。

そのまま「鳴瀬奥松島IC」から、さらに約30㎞(約45分)ほどで、目的地である石巻のホテル・サンファンヴィレッジに到着。

つまり具体的な数値として、今回のテストでは素尻なら156㎞で約2時間、そしてバイク座シートを装着すれば約280㎞で約4時間。

尻に若干の疲労感は生じたものの、バイク座シート装着以来、東海PAで悲鳴をあげていた腰が1度も痛みを発しなかったことには驚きでしたね。

結果として、バイク座シートはお尻が全く痛くならないわけではないのですが、素尻に比べて約2倍は尻の平和を保って距離を延ばすことができるのがわかりました。

さらにこの後もライディングは続き、翌日の復路は山形経由でラーメンを求めて喜多方へ。

そんな余裕はもちろんバイク座シートのおかげです。

帰り着くとオドメーターは1142.1㎞。

往路前半、約160㎞を素尻で走ったので、約980㎞をバイク座シートで走ったことになります。

恐らく筆者は、バイク座シートなしの素尻には戻れないでしょう。

しかし、筆者がこの長距離で発見したバイク座シートの効果はこれだけではありませんでした。
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『これは座布団型アクティブサスだ』

バイク座シートはポジドライブが「オートバイ用疲労軽減マット」として販売している商品。

しかし、「バイク用の座布団」としてのイメージが強く、正直なところあまり目立たない商品だと思います。

「低反発」より「正反発」

他社のサポートシートの多くが「ゲル状のゴム」を主体としているようです。

これに対し、バイク座シートは寝具として開発された「100%天然発泡ゴム」のマットレス「Bodydoctor」を使用しているのが特長。

↑これがバイク座シートに使われている「Bodydoctor 」の素材標本です。

ゲルの場合は衝撃や加重を吸収する「低反発」なのですが、バイク座シートは加重と同じだけ反発する「正反発」という特性を持っています。

大きなバイク用品店には、ゲル製サポートシートのデモシートを置いているところもありますよね。

商品を選ぶときは、大抵それを手で押してみたり、座って上から圧力をかけた感触で試されると思います。

実はそれだけだと確かな疲労軽減シートの機能を知ることができないんです。

今度バイク用品店に行く機会があったなら、試しに低反発ゲルのサポートシートの裏表を挟むように、親指と人差し指でつまんで比べてみてください。

ゲルの場合はギュっと圧力を受け止めてくれるのですが、人差し指で親指の形がわかるほど薄く、指をパッと離した時に指の動きについてきてくれません。

バイク座シートで同じことをすると、25mm厚の本体が指の圧力を分散するため、人差し指で親指の形を探ることは難しいでしょう。

何より、加えた圧力と同等の圧力で反発する性質を持っているので、指をパッと離しても素早くその動きについてきてくれるんです。

つまり、これがショックを分散しながらも素早く戻る「正反発」という性質。

確かに動かない椅子の上にずっと座っているだけなら、「にゅっ」としたゲルでもいいと思います。

しかし、バイクの場合はライダーの体圧を車体を押しつけているばかりではありません。

バイクにはもう一歩進んで、路面側から時々刻々と突き上げてくる衝撃をかわし続ける性質が必要なんです。

そう考えると、毎時つぎの衝撃に備えるには「正反発」の方が圧倒的に有利。

この効果を実感したからこそ、筆者はバイク座シートをお勧めしているのです。

座布団型アクティブサス?

では、この「正反発」が、実際に走行しているバイクとライダーの間でどんな働きをするか、ちょっとイメージしてみてください。

例えば、バイク座シートを装着したシートとノーマルのシートの両方にバイブレーターをつけたとしましょう。

目隠しをして比較しても、どちらがバイク座シートなのか簡単にわかるはずです。

つまり、エンジンや路面からの細かい振動はほとんどバイク座シートが吸収してくれるんです。

面白いことにこのおかげで、目で見えている路面の舗装が多少荒れていても、ライダーには滑らかな路面を走っているように感じるのです。

以前筆者は、YZF-R1 (4XV)にオーリンズのプレミアムサスペンションを前後同時に換装したことがあります。

実はこのオーリンズの前後サスを装着してショップから初めて自宅に戻るときの感想と、バイク座シートを装着して走行した時の感想がほぼ同じ。

多分皆さんもバイク座シートをショップで装着してご自宅に帰られるときは、「アレ、この道いつ舗装工事したの?」と思われると思います。

もちろんサスペンションと言ってしまうと、車体全体の動きまでを制御するわけではないですから少々大げさなのは承知しています。

しかし、ライダーに対するショックを軽減するという意味では、「座布団」以上の機能を持っているのは確か。

バイク座シートならお手持ちのバイクで、アクティブサスペンションのようにシルキーな乗り味を体感できるのではないかと思います。

バイクの動きをより掴み易く

「それではバイクの挙動が掴みづらくなるのではないか?」

と心配される方もおいでだと思います。

普段は車体の振動を全身で感じるわけですが、お尻の下だけにもう一つアクティブサスペンションがあることを想像してみてください。

お尻はスーッと滑らかに進行していくのですが、左右の手足の4点は言ってみれば「生」の振動を感じているのです。

つまり、バイク座シートを介して尻で感じるバイクの振動と、手足が感じる「生」の振動との差異が、バイクの挙動としてわかりやすくなるんです。

これは筆者にとってもなかなか面白い発見でした。

さらに面白くなってバイク座シートを装着してコバルトラインでワインディングを流してみます。

当初はズレを心配しましたが、ストラップをクロスして締めているので、左右に腰をずらしても大きくずれることはありませんでした。

何よりバイクの挙動がいつもよりはっきり判り、無理のない走りを楽しむことができたのは素晴らしかったですね。

そういった意味でも、バイク座シートはおもしろい製品だと思います。

「だけじゃない」バイク座シート

販売元のポジドライブでは「購入時より10mm以上のへたりが認められた場合に新品と交換する」という、3年間のへたり保障をつけています。

「Bodydoctor」はドイツのLGAという世界的な検査機関で60,000回のローリングテストに耐えたマットレス。

これをバイク用のシートのサイズにしたのが今回のバイク座シートなので、ポジドライブは長く使ってもヘタレないことに絶対の自信を持っているのだそうです。

それだけ長く使うのであれば、夏には涼しくあってほしいとも思いますよね。

実はバイク座シートにはメッシュタイプもあります。

それがこちらの「バイク座シートグラン」。

中身のBodydoctorの効果はそのままで、表面にレザー(牛革)を使用。

全体に細微なパンチングメッシュ加工が施されているので、暑い時期の蒸れを防いでくれるでしょう。

皮革製品なので雨天使用ができないことと、定期的なケアが必要になりますが、所有感はバッチリ。

お値段は22,000円(税別)。

こちらで購入することができます。

また、「座布団という形ではなく、カスタムシートとしてシートに内装できないの?」

という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

実は、バイク座シートなら、これができるんです!

それがこの「バイク座シート・inside」

これはお手持ちのバイクのシートに、バイク座シートの本体であるBodydoctorを埋め込むというもの。

加工はバイクによっても違いますが、ポジドライブに問い合わせたところ、

  • ネイキッドで25,000円~。
  • ビックスクータークラスで30,000円~
  • さらにタンデムシートをセット注文するとその部分は5,000円~

ということでした。

こちらは、ポジドライブ公式HP内に取扱店の案内がありますのでご参考になさってください。

カブ主様には新製品、

「Dr.モペット」がおススメですヨ!

まとめ

バイク座シートは疲労軽減を目的とした商品ですが、今回筆者が行った長距離テストではそれ以上の効果を実感でしました。

つまりそれは、ライダーの集中力を高め、まるでプレミアムサスペンションに換装したような乗し味の実現。

それを実感した筆者には、もうこれが単なる「バイク用座布団」には見えなくなっています。

残念なことに、バイク座シートにはSPパーツのような、派手な輝きはありません。

しかし、既に口コミで知る人ぞ知る製品となっているこのバイク座シート。

装着している人は間違いなく、「違いの分かる人」として一目置かれることでしょう。

 

バイク座シートは、確実にノーマルシートとの差を実感できる商品だと思います。
しかし、バイクのタイプや、使用条件によっては、本稿通りの感想が得られない可能性もあります。
本稿は製品の品質を保証するものではなく、筆者がXJR1300Lを使用して、東北方面への長距離テストを行った感想をもとに作成しています。
基本的に、意見には個人差があります。
筆者の感じた効果をお感じになれない場合であってもその際の責任は一切負いかねますのでご了承ください。




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