YAMAHA N-MAX125に試乗!スポーティーな乗り味に思わず欲しくなる一台
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近年通勤の足として人気の125㏄スクーター。

大型車種のラインナップが縮小傾向にある中で、同じメーカーの中にも幅広いラインナップが用意されているのが125㏄スクーターです。

それだけに「125cc スクーターは欲しいけど、どの車種にしようか迷っている」。

きっとそんな方も多いのではないのではないでしょうか。

そこで今回はヤマハのN-MAX125をご紹介してまいります。

心を奪われるスマートなスタイル

日本仕様の発売は2年前の2016年3月。

N-MAX125は特に新型車種ということではないのですが、最近街で見かける機会も多くなり、筆者は個人的にもそのスタイリングのスマートさに魅かれている1台です。

530㏄のT-MAXを頂点に持つ「MAXシリーズ」の末弟として位置付けられているN-MAX125。

引き締まったフロントマスクと.剛性の高さを思わせるフレームカバーのデザインは、T-MAXが持つスポーティーさを予感させますね。

諸元を見てみると、全長/全幅/全高は1,955mm/740mm/1,115mm。

ちなみに、シグナスが1,895mm/690mm/1,115mmなので、横幅を感じたシグナスに対し、N-MAXが全体にスマートに見えるのはこの全長のおかげもあるようです。

特にテールデザインはすっきりとまとめられていて、街で見かけて歩道からでも「あ、カッコいいな」と、このテールを思わず目が追ってしまいます。

シグナスはシート高が775mmありますが、N-MAXは765mmなので比較するとN-MAX125の方が若干低いようです。

実際、身長162㎝、座高91㎝の筆者が乗ってみると、

両足は接地するのですが、

両足では若干かかとが浮きます。

腰高な感じもしますが、ハンドル位置がライダーに近く、大柄でゆったりとしたポジションは好印象です。

さらに、後席にはかなり余裕があるので、ゆとりのタンデム走行ができるのではないかと思います。

メーターはシンプルかつ実用的

デジタルのメーターは実にシンプルで、視認性も優れたものです。

スピードメーター下には切り替え表示できるメーターがあります。

ODOメーターのほかに、TRIP1と2があります。

燃料系を別に持ちながらツイントリップがついているということは、通勤通学など実用的な足として活用だけでなく、ちょっとしたツーリングも視野に入れて設計されているという証。

ファンクションボタンを押していくと、オイル管理用のトリップメーターが示されるので、それはまず間違いないところでしょう。

オイルを交換する際、トリップメーターで以前の交換から大体何キロくらい走ったかを目安にしていることが多いですよね。

ただ、ツイントリップメーターで片方をオイル管理用にしていると、ロングツーリングの時に今日走った距離とそのツーリングの総合距離計として活用したいのにできなかったり。

そうでなくても、うっかり消してしまったりすることもありがちなので、オイル管理用に独立したトリップメーターがあるというのはかなり親切だと思います。

同じようにVベルト管理用のトリップメーターも表示できます。

ヤマハが一般整備として推奨するVベルトの交換目安は20000㎞。

加減速の多い小排気量車の場合、Vベルトはビックスクーターより消耗が激しいと言われています。

なのでこうして視覚的に距離で目安を表示してくれるのはいいですね。

また、N-MAX125では2種類の燃費計を備えています。

停車中には表示されていませんが、走行中の瞬間的な燃費を表示する瞬間燃費計と、

平均燃費を表示する平均燃費計の二つを使い分けることができます。

やはり、ガソリン高騰の昨今、これはうれしいですね。

スマートさを感じる機能性の高さ

また、バイクに乗っていてスクーターがうらやましいと思うのはシート下の収納スペース。

N-MAXでは24リットルのスペースが確保されています。

メットインスペースがあってもにデフューザー付きのヘルメットまでは入らない。

あるいは入ったとしても、フルフェイスはやっとやっと入っている状況というのは125㏄スクーターとしてはありがちなことです。

筆者のヘルメットはアライのRX-7RR5。

ご覧の様に、こうしたディフューザーつきのヘルメットでもすっぽり収めることができ、さらに小物が入るくらいのスペースがあるのはかなり実用的ですね。

そして、フェールリットは車体中央部にあります。

このおかげで、跨ったままの給油も楽にできます。

また、フットレストも余裕があって脚の収まりが良く、かなり気持ちよく快適なライディングを楽しむことができます。

こうして中央に収められたタンクは、N-MAX125に機能性と重心的なバランスの良さに寄与しているようです。

足回りはスポーティー

筆者は以前取材した試乗会で、マジェスティーSに試乗させていただいたことがあります。

その時はクローズドエリアの中に設けられたスラロームコースも走行したのですが、ハンドルに重さを感じ、フロントの接地感も薄い気がしました。

その印象から筆者は、そもそも125㏄のスクーターには多くを求めてはいけないような印象を持っていたわけです。

しかしこのN-MAX125では、軽快でスムースなハンドリングが、今までの125㏄スクーターに対する印象をあっさりと裏切ってくれました。

あくまで原付二種ですから、高い速度域での安定性を求めるものではありません。

レーンチェンジ一つとっても軽快感を感じ、コーナーではややかっちりとした足回りから、N-MAX125のスポーティーなキャラクターを感じる。

この応答性の良さのおかげで、乗り込んでいくと、漫然とコミューターに乗っているという気持ちは薄れ、曲がるたびにウキウキするような楽しさが感じられます。

ライダーを愉快な気持ちにさせてくれるものを持った、まさに「スポーツスクーター」と言っていいでしょう。

前後ともブレーキには230mm径のディスクに、シングルポットのABSを採用。

フロントには握りはじめにグッと大きくかかる初期制動感はないもののタッチはよく、コントローラブルな印象です。

初期制動力としてはフロントよりリアの方がグッと強い制動力を感じます。

リアに感じるやや強めのこの設定は、リアブレーキを使ってUターンを小さくこなそうというときに、扱いやすさを増してくれるのではないかと思います。

エンジンはBLUECORE

モーターサイクルナビゲーターの中では、これまでも何度かヤマハの「ブルーコアエンジン」について触れてきました。

N-MAX125でもこの「ブルーコアエンジン」が採用されています。

ブルーコアエンジンとは、高次元に燃費と環境性能の両立が図られ、ヤマハが次世代のエンジンとして提唱するエンジンです。

例えばブルーコアには、

シリンダーをクランクシャフトの回転軸の中心から回転方向にややオフセットする「オフセットシリンダー」の採用、

高圧縮を高効率で実現するアルミ鍛造ピストンの採用、


(※画像はヤマハ発動機 N-MAX公式ホームページより)

そして高回転までのびやかなパワーを引き出す可変バルブ「VVA」の採用などを軸として、徹底した高効率化が図られたエンジンとなっています。

このブルーコアエンジンのフィーリング。

一言でいえばこれは「楽しいエンジン」といえるでしょう。

かつて筆者はグランドアクシス100という2ストロークのスクーターを所有していたことがあるのですが、さすがに2ストロークほどの圧倒的な瞬発力があるかというとそうではありません。

しかしN-MAXのブルーコアエンジンが魅せてくれる、低速からの粘り強い立ち上がりは非常に楽しいものです。

なるほどと思うのは、6,000回転高速向けに変化するからVVAのバルブの設定。

低速からのスムースさに加え、実用することが多いであろう60km/h付近まで、のびやかでパワフルに走ってくれるのです。

しかも、車体バランスと相まって、高速域でもVVAが回転数を抑えてくれることで原付2種にありがちな、いわゆる「頑張って走ってる感」が少ない印象を受けました。

恐らく、音や振動の面で中距離以上の移動にも疲れを及ぼしにくいであろうことが想像されるのですが、これもブルーコアの恩恵なのだと思います。

N-MAX125は、このブルーコアエンジンに相じて、車体のバランスやコーナリングの楽しさを感じる125㏄スポーツスクーター。

「ヤマハハンドリング」を知る人ならば目をつぶっていても「なるほど、これはヤマハだな」と思うであろうほどのヤマハマインド「人機官能」がここにあります。

このN-MAX125なら、疲れた家路でもN-MAX125に乗りながら少し足を延ばして楽しむ週末を思い、明日への活力が湧いてくるかもしれませんね。

N-MAX125 諸元

認定型式/原動機打刻型式 2BJ-SED6J/E31AE
全長/全幅/全高 1,955mm/740mm/1,115mm
シート高 765mm
軸間距離 1,350mm
最低地上高 135mm
車両重量 127kg
燃料消費率 国土交通省届出値
定地燃費値
50.5km/L(60km/h) 2名乗車時
WMTCモード値 43.6km/L(クラス1) 1名乗車時
原動機種類 水冷・4ストローク・SOHC・4バルブ
気筒数配列 単気筒
総排気量 124cm3
内径×行程 52.0mm×58.7mm
圧縮比 11.2:1
最高出力 9.0kW(12PS)/7,500r/min
最大トルク 12N・m(1.2kgf・m)/7,250r/min
始動方式 セルフ式
潤滑方式 ウェットサンプ
エンジンオイル容量 1.00L
燃料タンク容量 6.6L(無鉛レギュラーガソリン指定)
吸気・燃料装置/燃料供給方式 フューエルインジェクション
点火方式 TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式 12V, 6.0Ah(10HR)/YTZ7V
1次減速比/2次減速比 1.000/10.208
クラッチ形式 乾式,遠心,シュー
変速装置/変速方式 Vベルト式無段変速/オートマチック
変速比 2.326〜0.731:無段変速
フレーム形式 バックボーン
キャスター/トレール 26°00′/92mm
タイヤサイズ(前/後) 110/70-13M/C 48P(チューブレス)/130/70-13M/C 57P(チューブレス)
制動装置形式(前/後) 油圧式シングルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式(前/後) テレスコピック/ユニットスイング
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ LED/LED
乗車定員 2名

※メーカー公式ページ諸元表を引用

試乗車のご協力はこちらのショップ

今回は、神奈川県川崎市にあるYSP川崎中央さんに試乗車のご協力を賜りました。

モーターサイクルナビゲーターでも、既に何度か試乗車のご協力をいただいているので、ご存知の方もおいでだと思います。

こちらのショップは、第7回ヤマハ・ワールド・テクニシャン・グランプリ2016において見事優勝された鮫島遼平さんがおられるYSP店。

今年も7月に行われる同大会の国内エリア選考会において、YSP川崎中央の堀畑 努さんが、関東エリア1位で選出されています。

(ヤマハ公式HPより)

おめでとうございます!!

YSP川崎中央さんのホームページのURLはhttps://www.ysp-top.co.jp/

「ysp-top」の文字がその気合を物語っています。

「商品知識と整備技術」というのは同意語かもしれませんが、この両面において抜群なYSP店さんであるということなんですね。

そうしたこともさることながら、いろいろなYSP店さんに伺う中でも、こんなに試乗車の車種を豊富にしていらっしゃるお店も珍しいと思います。

筆者もインプレッションを文字で書いておいて何ですが、やはりバイクは乗って感じることが何より大切。

気になる方はYSP川崎中央公式HPの試乗車広報ページから試乗のご相談をなさってみてください。

また関東以外の方も、こちらの方からお近くのショップの試乗車を検索することができます。

その上で試乗された方が、今回の記事について「なるほどね」と思っていただけたら嬉しいですね。




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