YAMAHA 新型セロー250 噂のブルーコアエンジンの内容や発売日を予測
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YAMAHA セロー250はきっと帰ってきてくれる

昨年生産を終了したヤマハセロー250。

初代の登場から熱くファンに愛され、今なお変わらぬ支持、いやそれ以上にその存在価値が見直されている車種と言っていいでしょう。

近場の用足しから林道ツーリングなど、ハードなライディングにも耐える用途の多彩さ。

しかも、価格や車格が手ごろなため、初心者にも親しみやすいバイクです。

単にオフロードバイクとしてだけでなく、今では文字通りのアドベンチャーバイクとして求められているセロー250。

新たな存在価値が見直されている最中での生産終了だけに、惜しむ声は大きいものです。

今回は生産終了と言っても、環境規制を受けてその対応策を講じるための、「一旦生産中止」。

2018年4月現在、ヤマハのホームページ上でセローを見ると、

『生産終了モデル なお、セロー250は後継モデルの開発に取組んでおります。(発売時期は未定)』

とクレジットされています。

「きっと帰ってきてくれる」

そんな期待とともに、多くのファンが後継機種の登場を待ちわびています。

果たして次に発売されるヤマハ セロー250はいったいどんな姿で我々の前に現れるのでしょうか?

予想される「ブルーコアエンジン」とは?

既に様々なメディアには次期セローに関しては予想記事が掲載されていますね。

中には「ついに水冷化?」という予測もあります。

しかし、大体の予想では『車体やデザインはおおよそ現行車に近いモデルで、エンジンが「ブルーコアエンジン」になるのではないか?』と予測しています。

ちょっとここでその「ブルーコアエンジン」について大まかに解説しておきましょう。

「ブルーコア」というのはヤマハの提唱する環境対策エンジン技術の呼称で、既に125~155㏄の小型空冷エンジンを中心に用いられています。

2008年比50%という、大胆な燃費改善を実現させようというのがコンセプトの柱です。

大雑把に言えば、特別な装置を付随させることなく、エンジン各部の抵抗ロスを極限まで見直し、爆発燃焼で得られるエネルギーを最大限に使う工夫がなされたエンジン。

これがブルーコアエンジンンなのです。

特にベトナムやタイ・インドといった空冷小型車の圧倒的に多い地域が、国際的な環境基準の適合を目指す中で求められた技術でもあります。

そのため、いかに低予算で高度な環境性能を達成するかが課題とされ、水冷並みの性能を発揮できる空冷エンジンの生産技術としてその発展が期待されるところです。

ブルーコアエンジン技術の具体的な部分をまとめると次の通り。

(燃焼改善のため)

空冷でありながら水冷並みの高圧縮比とバルブや燃料噴射のタイミングを最適化

(高圧縮比でのノッキングを抑えるため)

オイルジェットピストンクーラーなどの冷却技術を採用。

(低騒音化に向け)

低回転高トルク化とハイギアード化による低回転走行の実現、さらには低アイドル回転化など。

(徹底したロスの低減に向け)

ピストンリング張力・ピストン形状の最適化

低ロスベアリング・オイルシールの採用など。

オフセットシリンダーの採用

(↑オフセットシリンダー)

こうしてエンジンの原理原則を洗いなおすことで、ポテンシャルの高い「素でいいエンジン」を造ることがブルーコアエンジンの開発コンセプトなのです。

ブルーコア+セローはどんなバイクに?

ブルーコアエンジンを載せたFZ25が、厳しい環境基準ユーロ4をクリアし、既に昨年からインドで発売されています。

そしてこのエンジンは現行セローベースで、「ブルーコア化」したこのエンジンこそが次期セローのエンジンになると目されています。

 

確かにこのFZ25のエンジンをよく見ると、現行セローのG370Eエンジンによく似ていますね。

先に触れたように、ブルーコエンジンでは高圧縮を必要とするため、オイルを使ってピストンの冷却をすることになります。

ですから、多くのメディアの次期セロー予想CGには、オイルクーラーがついているのですが、おそらくその予想どおりオイルクーラーは必須になるでしょう。

しかしそうしたメディアの予想では、例えば水冷オンロードバイクのような形で、ステムの下付近にオイルクーラーを配置するCGが見られます。

筆者が見る限り、これがそのままだとするとちょっと重々しい印象がありました。

現行車を見ながら考えたのですが、『ここはもう少しスタイリッシュにできるはずだ』と思っています。

そう思ったのはこの部分。

このタンクとタンクカバーの間にわりとスペースがあるのがお分かりいただけますか?

デザイン力に優れるヤマハのことですから、例えばWRのようにこの部分をシュラウド化。

オイルクーラーをきれいに収めてくるのではないかと思うのですがいかがでしょう?

また、現行のトリシティーに採用されているブルーコアエンジンには、VVA(可変バルブ)も搭載されています。

それを考えると、次期セローにもVVAが欲しいところ。

採用されるのであれば、低速の粘りと高速での伸びの両面が期待でき、現行車の持ち味をさらに豊かに引き出してくれるかもしれませんね。

こうして機能面に付随したスタイルの変更があるのは間違いないでしょう。

セローはやっぱりベストバランス

筆者はかつてトリッカーからWR250Rに乗り換えたことがあります。

セローにもイベントなどでお借りしたことがあるのですが、比べてみると同じヤマハの250㏄のオフ車たちは、それぞれはっきりと違う個性を持っているのがわかります。

例えばトリッカーは、セローよりもハンドル切れ角が深い分、街中では機敏な動きで、のんびり走るのがと気持ちいいバイクです。

そして、低速の粘りを活かして、トライアルバイクのような遊び方も立派にこなすのも楽しいところです。

ただ、エンデューロっぽい遊び方をしたいときには、「サスのストロークがもう少しあれば」という欲が出ますね。

また、ツーリングなどでは、タンク容量も小さめなことから長距離ではやや気を遣う部分もあったでしょうか。

 

逆にWR250Rの場合はスピード感もあり、かなりワイルドに遊び込めるところが魅力。

高速走行も難なくこなし、トリッカーで感じていた「ここをもうちょっと欲しい」ということが大体クリアされます。

サスのストロークも十分なので振動をを少なく感じ、ロングツーリングも楽にこなします。

ただ、走っている分には非常に楽なのですが、市街地や渋滞路などは短足な筆者にはかなり厳しさを感じました。

WRは、その大きな車格ゆえに足つきなど、時として乗り手を選ぶ場合があるようです。

 

その点、セローはある程度エンデューロもこなせる足回りを持ち、トコトコとのんびり感を楽しむこともでるバイク。

特に小柄なセローだからこそ「遊びこめる豊かさ」があり、幅広い層のライダーにとってベストバランスな一台だと言えます。

ブルーコアでは、一度ベースエンジンができれば、少数の部品変更でエンジンに違うキャラクターを持たせることが可能だとヤマハは説明しています。

これによって一つのエンジンから多くのモデルへプラットフォーム展開ができ、同時にコストダウンも図れるので、、更なる車種への搭載が期待できます。

今後セローやトリッカーに搭載されるならば、それぞれのキャラクターに光る個性をお願いしたいですね。

車体はWR250Rを小型化して統合?

先に触れた同じヤマハの250㏄オフロードバイク、WR250R。

高価な価格設定にもかかわらず、景気の落ち込む中でも売れ続けたほど、多くのライダーに絶賛されたバイクです。

しかしWR250Rも残念ながらセローと同時期に生産を終了してしまいました。

さらに、メーカーのホームページ上には、次期モデルを期待させるアナウンスがありません。

ヤマハも生産をあきらめるには、断腸の思いがあったはず。

そんなメーカーの無念を想像している最中、試乗会で載せていただいたCRF250Lのことがふと思い出されました。

CRF250LはWRのようでもあり、WRよりややマイルドなエンジンフィールはセローのようにも感じました。

『全体的なキャラクターがちょうどWRとセローの間の立ち位置にあるバイク?』

シート高はWR250Rより20mm低い875mm。

セローよりは45mmも高いシート高ですが、WRよりも若干楽に感じた部分がそう思わせたのかもしれません。

CRF250Lは車体構成もWR250Rに似た形状のセミダブルグレードル。

しかし、70万円を超えていた国産WR250Rに対して、CRF250Lは50万円を切るの価格設定。

これはセローの購入を考えるライダーにとってちょっと魅力的なものでしょう。

せっかく車両が更新されるのであれば、ここはヤマハも勝負に出るでしょうね。

ここからは筆者の妄想エンジンをフル回転させてのお話なのですが…。

例えば、次期セローのエンジンはFZ25のブルーコアとして、車体はWR250Rのセミダブルグレードルフレームをダウンサイジングして統合。

これをタイかインドネシアで生産することで、価格的にもCRF250Lの正当な対抗馬となる?

セローの持ち味はそのままに、さらに遊びの幅を広めた形へと進化。

果たして、これはただの妄想で終わるのか否か?

まだその真実は、神とヤマハのみが知るところです。

気になる発売時期は?

インドで発売されたのは2017年2月。

車体についての妄想はともかくとして、素直に考えれば専門誌がCGなどで予想するように、現行セローの車体にこのブルーコアエンジンが載るという線が濃厚です。

ヤマハの方のお話では、新車の開発はどんなに急いでも、発売できるまでには一年半はかかるとのこと。

ブルーコア版のセローエンジンが既にこの時期にFZ25に載っているわけですから、この夏にも次期セローの発売があるという見方もできなくはありません。

YSPで「何か情報は?」と臭いをかいでみても、「情報管制が厳しく、以前は話してくれる営業さんも僕らにそれを話すことはないんです」とのこと。

ただ、そこで聞いたのは、2019年に環境基準がさらに厳しくなるので、メーカーはその内容を待っているのではないかというお話。

確かに発売間もなく新たな規制の対象になるのはNGですよね。

今後の環境規制では、炭化水素(HC)一酸化炭素(CO)窒素酸化物(Nox)の排出規制がさらに厳しくなると言われています。

なので、ブルーコア化だけなら恐らく2018年前半での発売もできたのでしょう。

詳しくは見えてきませんが、春に姿を見せなかった理由は、追加せざるを得ない装備の重量増やコスト増。

その中でセローらしさをどう維持するのかが大きな課題になっているのかもしれませんね。

もしくは現行セローの新車在庫のはけ具合を見ているだけ?

それなら解決も早いかもしれません。

早ければ2018年秋以降、遅くとも来春までには発表・発売に向けた動きが明らかになると筆者はみています。

中古で買うなら今が買い

先ほども触れましたが、WR250Rには新規開発のアナウンスがありません。

それを受けてか、中古市場も高騰。

最近ではなんと、距離の若いWRに100万円の値が付いたと聞きました。

セローの相場を探るとは、29万円台~40万円台後半までと、多少の距離を走っていても、そう簡単に値が落ちない印象があります。

新規開発のアナウンスが効いているのか、セローにはまだWRのようにプレミアがついていません。

しかし、新車の在庫が品薄になって次期モデルの発売がずれ込めば、プレミアとまではいかずとも、底値が33万円もしくは36万円以降の高止まりになる可能性はあります。

なので、新車にこだわらず、中古でも距離にもこだわらずにセローの楽しさを手に入れたいなら、底値が安い今がお買い得かもしれません。

もしも、225㏄モデルを探るなら、こちらは14~16万円くらいが底値で、距離数の若いものや限定車になると26~28万円台後半と高いものです。

しかし、いずれにしても高年式車なので、その価格帯で堅調な個体を探すのは難しいかもしれませんね。

なので、2005年以降のキャブモデル、3C5型の15,000㎞~20,000㎞くらいタマがあれば狙いどころでしょうか。

また2008年以降の現行FIモデル(1YB)も既に車歴が10年と長いので、20,000㎞オーバーのものに24~28万円台のものが見られます。

各部のオイルシールの劣化や腐食、タペット音などのメカノイズの大きさ等に注意して選んでいけば、多少の使用感はあってもまだまだ楽しめる個体はあると思います。

次期セローに期待するもの

筆者は昨年、初代のセロー225の開発に携わった元ヤマハの開発の方にあるイベントでお話を伺ったことがあります。

そのお話はあくまで当時の開発についてだったのですが、セローが狙ったコンセプトがよくわかるお話でした。

「次期セローの姿」はこのお話の中にヒントがるような気がします。

初代セローが誕生したのは1985年。

おりしも空前絶後と言われたバイクブーム真っ盛りの時代。

当時はバイクと言えばレプリカがメインで、ライダーたちの趣向が最高速度や馬力といったスペックに偏向していった時期でもありました。

いわゆる「スペック上位主義」が台頭し、遅いバイク・出力が高くないバイクがさげすまされる傾向を、ヤマハとしては忌々しく思っていたといいます。

つまり、「バイク本来の楽しさとはスピードや馬力だけではなく、諸元表の数値に表れない部分にこそあるのではないか?」

そんな「バイク本来の楽しさ」のヒントを求めて、開発スタッフは北米カリフォルニアを訪れます。

現地ではピックアップトラックに大小のオフ車を載せて、週末にエンデューロを楽しむ家族の姿がありました。

旅の中で開発スタッフの印象に残ったのは、何度転んでも笑顔で楽しむ彼らの姿。

そんな光景の中に、「バイクの楽しさ」のヒントを見つけたのだそうです。

セローには初代からライトの下に「フラッシャーランプガード」というハンガーバーがあります。

これは「転ぶ」ということを前提にしたもの。

林道などではそこにロープをかけ、仲間と一緒に丘の上に引き上げたり、滑落の際の救援に使ってりするわけですね。

たぶんその大変さを乗り越える楽しさ・達成感は、スペックには絶対に載らないこと。

恐らくこのフラッシャーランプガードは次期セローにも装着されていることでしょう。

その後着手された開発は125㏄のオフロードマシンに200㏄のエンジンを積んだマシンをテストすることから始められます。

このコンパクトな車両から得られる「多用途性」が開発の中で大切にされ、参考車となったXT200のシート高を下げた形にすることが決定。

このエンジンに余裕を持たせ225㏄にして登場したのが、初代XT225セローです。

今や足をペタペタついて走る「2足2輪」という言葉はセローの代名詞ともなっていますが、こうして開発時から形作られてきたことなんですね。

しかし初代は販売が振るわず、一代限りになる運命もにさらされたたと言います。

当時社内ではセルを追加することが検討されます。

セルのためのバッテリー容量増加に伴って、軽量な「セローらしさがなくなるのでは」と喧々諤々だったそうですが、セローをよりユーザーファーストなバイクにするためセル追加を決定。

結果として、悪路での再始動もしやすく市街地でも手軽で親しみやすいと評価され、新たなファンの獲得に成功したのだそうです。

そこから現行車に至るまで、ユーザーファーストで、多用途に耐えるタフさを保ち続けたセロー。

そんなブレない「楽しみやすさ」が、次期セローにも変わらず期待されていくのだと思います。

もちろんセローのほかにも2018年の新型バイクのラインナップはかなり充実してくる模様です!

こちらもチェック! EICMAでヤマハが動いた!2018年投入予定の新型バイクまとめ(記事はこちらをクリック)




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