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MOER THAN DUCATI
2017年11月のミラノ国際モーターサイクルショー(EIMCA)。
来季に向けた新しいバイク達が次々とベールを脱ぎ、筆者もライブ映像を見ながら早朝から興奮しきりでした。
中でもDUCATIは満を持して登場のV4スーパースポーツ、パニガーレV4の発表。
そして、人気のスクランブラーのシリーズ拡張などなど、目を離せない発表が続きましたね。
実車をショップでお目に掛れる日はいつなのか?
DUCATIにはワクワクされ通しです。
そんな中、海外の乗り物情報サイト「GEARHEADS」で、明日のDUCATIを考える上で大変気になる話題がアップされていました。
DUCATIを超えるDUCATI。
一体どんなものなんでしょうか?
電動DUCATI ってどうよ?
とりあえずこれを皆さんがどう思われるか…?
ビモータのテジーシリーズのような片持ちのフロントに、メタルのタンクみたいなのはモーター?…なんでしょうか?
リアスイングアームはカーボン?
「とりあえず普通じゃないですよ」的な胡散臭い雰囲気満載。
なんとか赤くてDUCATIって書いただけで、「らしさ」といえば辛うじてライト周りくらい?
もちろん、これはGEARHEADSに掲載されたCGです。
なので、安心してください。
これがこのままリリースされることはないはずですから(笑)
ただ、どうやらDUCATIは電動車の発売を考えているというのは確かなようです。
思わず引き込まれて読んだGEARHEADS。
そこにはDUCATIの西ヨーロッパのマーケティングディレクター、エドワード・ロッテ―氏が海外メディアに語ったという話がありました。
概要としてそれは、「DUCATIもいずれ電動車を出すというのは時流として考えられない話ではない」という内容。
確かに先日の東京モーターショーでは、ヤマハ・ホンダがAIを搭載した電脳バイクまでを将来の方向性として提案していましたし、
ホンダに至っては電動とハイブリットのPCX(スクーター)の市販を明言していますよね。
きっとこの流れにDUCATIとしても、そっぽを向くわけにもいかないということでしょう。
更に記事はDUCATIを取り巻く状況としても、この方向性は確かなようだと綴っていました。
DUCATIは現在、ヴォルクスワーゲン社(以下VW社)の傘下企業アウディーのグループ会社となっています。
確か近年VW社によるDUCATI売却問題が話題になりましたね。
バギーの会社が入札するだとか、ハーレーに買収されるとか、様々な話があったわけです。
しかし、今のところはポルシェ一族など、多くの株を保有する監査役員がこれに反対していて、DUCATIはVW社の傘下に残るという見方が優勢です。
記事によれば、DUCATIとVW社の関係は少なくとも2030年までは続くと見込んでいる模様。
その2030年までにVW社は、製品ラインナップのほとんどを電化する「ロードマップEプログラム」を展開するとしています。
どうやらDUCATI社もこの方針に従って、電動化に向けた努力を始める時期が来ているようだというのですが、どうでしょう?
確かなこととしてVW社は今年、ようやく例の不正問題の対応からひと段落し、2025年までにEV車種を30種新投入するという「TOGETHER – Strategy 2025」という新戦略を発表しました。
更に現在敷かれているヨーロッパ主導の世界的自動車環境規制ユーロ4。
これが、2025年を待たずして2021年には更に規制の厳しいユーロ5に移行します。
なので2021年までは、電動車が市販状態で登場しないだろうという予測しながらも、記事は今後12カ月以内に電動化に関する新しい動きが見られそうだと言っています。
つまり、DUCATI首脳陣としては、親会社の2030年の完全電化計画に向けた足掛かりを見つけ、来期のEIMCAなどでその方向を具体的に示そうというしていると言うのです。
しかし、2017年の東京モーターショー・EIMCAの両見本市を終えた現時点では、電動車開発の雰囲気すら見せていないDUCATI 。
イタリア車と「エコ」はイメージ的に遠い気もしてしまいますし、英語の原文もネイティブが書いた割には時節の一致すら危うい文面。
胡散臭いこと限りないわけですが、バイクの将来を取り巻く状況を鑑みるに、まんざら「ない方向でもない」というのが、今回この記事を書くに至った感想です。
東京モーターショーで出展された日本のロボットバイク達を見ながら、EIMCAのV4やスクランブラーの新作発表の向こう側で実は、着実な電動化の足音に身構えていた?
いやいや、まさか…。
ただ、そこはデザインのイタリア。
DUCATIとしても自社的に、あるいは「イタリアとしてはこう考える」という電動バイクの在り方を見せてくれるはず。
その時はCGで見たより、誰が見てもDUCATIだなという「らしさ」があるものがいいですね。
ロボットバイクである必要はないと思いますが、人の予想を超えるようなエレクトリックDUCATIであれば、世界の多くのライダーに受け入れられると思います。
ましてやDUCATIのスクーターって…
電動のウワサだけでなく、DUTATIは…
スクーターの製作にも興味を示しているというのです。
しかし、DUCATIがでっかい真っ赤なモペット出すってか?
「ナントカも休み休み言えよ!」
みたいなことを言っているのは筆者ではなくて、GEARHEADSのライターさん。
まぁ、確かにこのCGの出来だけ見ちゃうと、「ナントカ」の中身を穴に向かって叫んじゃいそうですよね。
しかし記事には、先のエドワード・ロッテ―氏がフランスの「モトステーション」のインタビューに答えたというお話があります。
どうやらDUTATIのスクーターに関するプランは電動化と並んで「2本立て」のような構想として考えられているようなのです。
それも、いくつかのプランの中で300㏄~400㏄のクラスに的を絞って、スモールアーバンコミューター「パニガーレ・ライト」として構想されているのだというから驚きです。
だとしてもCGのように、イタルジェットとフォーサイトを足してT-MAXで割ってごった煮みたいのだったらどうしようと思いますよね。
やっぱりこれも、イタリアンデザインの素敵なものを期待したいですね。
これは記事を読んで筆者が思ったことですが、記事のようにDUCATIがスクーター構想を持っているのだとすれば、絶対彼らは「コレ」の事を考えてるはず…。
MotoGPのチーム新体制を毎年冬のスキーゲレンデで発表しているDUCATIのイメージも重なりましたが、パニガーレのびっくりするようなフレームワークを考えるDUCATIの事です。
ホンダのX-ADV以上に、単なるスクーターではなくATスポーツバイクとして面白いものを考えてくれるでしょう。
というか、DUCATIは前に一度コンセプトCGだけ出したことがあるみたいですね。
↑ほら、やっぱりスパイクタイヤ履いてるし…。
おっと、ココは電動車じゃなくてスクーターの話でしたね。
DUCATIのスクーターが出たとしても、逆に単純なプーリーとVベルトのスクーターを出してきたら、きっと違う意味で驚くと思います。
ホンダのX-ADVは大排気量ATアドベンチャー車。
近年BMWなど海外勢も300㏄~400㏄のラインナップを設け、ミドル車の需要が世界的なものになっているのは明らかです。
DUCATIもかねてから400㏄のラインナップを持っていて、今でもスクランブラー400が外車のエントリーモデルとして人気ですよね。
アドベンチャー車も十八番です。
巨大な2輪マーケットであるアジアの国の中には、大排気の販売が認められていない国もあります。
中排気量でもっと幅広い世界の人々にDUCATIの新たな世界観を提供する。
そんな世界戦略車としてのRedでHotなATバイク、悪くないかもですね。
「噂から出た誠」
そんなこともマーケティングの世界には良くあることですし、ちょっと期待してもいいのではないでしょうか?
画像・本文共に参照ブログ;GEARHEADS