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新型Z400&250が揃ってデビュー
2019年1月23日、Kawasakiは新型Z400と250の2台をラインナップに加え、2月15日から発売すると発表しました。
↑新型Z400
Z400は昨年EICMA(ミラノ国際モーターサイクルショー)で発表されたモデル。
その登場については既にモーターサイクルナビゲーターの中でもお伝えしましたね。
この時は250の発表はなかったわけですが、今回は400/250揃っての発売。
↑新型Z250
当然、諸元データーもしっかり公開されているので、今回はそれらを踏まえた形で見ていくことにしましょう。
「Sugomi」デザインって何?
漢字やカタカナ、あるいは日本語の単語の響きをカッコいいと思ってくれている欧米人は結構たくさんいるもの。
筆者もロサンゼルスに住んでいましたが、「忍者」という響きは実にいろいろな商品に使われていましたね。
Kawasakiはここに一つ、「凄み」というキーフレーズでバイクの性能やデザインを表現し、海外サイトでも「Sugomi」という響きをアピールしています。
↑EUのKawasaki/Z400の商品サイトに公開されている動画の最初で、この文字が「デン!」と出てきます。
この「Sugomi デザイン」は、獲物を狙う猛獣の頭部から肩口へ繋がる筋骨隆々とした逞しいライン、そしてその緊張感をイメージしたもの。
ムダをそぎ落としたスリムなデザインの中に、エンジンやフレームをよりコンパクトに配置することで、迫力ある外観と俊敏な動きをテーマとしたデザイン思想です。
フレーム・車体について
そのデザイン思想の通り、フレームにはNinja H2にも採用されているトレリス構造を採用。
エンジンを強度メンバーに加えることで、単気筒エンジンモデル並みの166kgという車体重量を実現。
400ccでありながら何と従来モデルのZ250よりも4kgも軽量なな車体を作り上げています。
これはどこかで見たことがある、という方もいるかもしれませんね。
そうです、これは昨年デビューしたNinja400/250とほぼ同じもの。
上の写真は現行Ninja250のものですが、カウルステーの有無やクーラントのリザーブタンクの位置と形状、そしてハンドルに違いが見られますが、それ以外は共通の様です。
400と250とで同じ車体を共有することについては、昨年のNinjaの時も驚かれましたね。
上記記事執筆当時、Kawasakiの広報の方にお話を伺いましたが、
「これは400㏄の方をコンパクト化しながらも、どちらかというと250㏄を400㏄の車体に近づけたもの」
になるのだそうです。
先代のZ250を軸に比較すると、キャスター角が26°/82.0mm→24.5°/92.0mmと起こされていて、軸間距離も1410mm→1370mmへとショートホイールベース化されています。
先代モデルに比べ、シンプルになったホイールは、レースでの技術をフィードバックし、横方向への剛性をUPさせたもの。
ブレーキはフロント310mm/リア210mmのウェイブディスクを備え、ニッシン製のABSユニットがぢゅあるピストンに組み合わされています。
ここだけを見ても、細かいコーナーを裁いていくときには、以前にもましてメリハリのある切り返しで、市街地での扱いやすさが期待できますね。
使い勝手よくパワフルなエンジン
このように非常にコンパクトなフレームに搭載されたエンジン。
単にNinjaからの使いまわしではなく、リファインを施しながら、Zとしての味付けがしっかりとなされているようです。
さらに磨かれた動力系
Z400/250では、サブスロットルバルブを不要とするインジェクションを搭載して軽量化。
エアクリーナーボックスも容量をアップすることで吸気効率を高め、太いトルクとスムースな吹け上りを実現させていると言います。
また、ギアはクロスレシオのものを採用。
そして、クラッチプレートを139mmπ→125mmπ経小径化し、さらに軽くなったアシスト&スリッパークラッチにより、シフトチェンジも疲れにくくスムース。
急激なエンジンブレーキにもリアタイヤのホッピングを防ぎ、安全なライディングをサポートしてくれます。
パラレルツインのライバルたちとの出力比較
その諸元はそれぞれ、
Z400 | Z250 | |
排気量 | 398㏄ |
248㏄ |
最高出力 | 48ps/10,000rpm | 37ps/12,500rpm |
最大トルク | 38N・m/8,000rpm | 23N・m/10,500rpm |
となります。
これを念頭に、パラレルツインを積む同じクラスのライバルたちと比較してみると、
320~400cc | 250㏄ | |||
ホンダ CBR 400 |
ヤマハMT-03 | ホンダ CB250R |
ヤマハ MT-25 |
|
排気量 | 399㏄ | 320㏄ | 249㏄ | 249㏄ |
最高出力 (PS/ rpm) |
[46]/ 9,500 |
[42]/ 10,750 |
[27]/ 9,000 |
[35]/ 12,000 |
最大トルク (N-m/ rpm) |
37/ 7,500 |
29/ 9,000 |
23/ 8,000 |
23/ 10,000 |
ちなみに先代Z250の最大出力が31ps/11,000。
最大トルクは21N・m/8,500。
これらを見ていくと、新型Z400/250の実力が、いずれ劣らぬものであるのがわかりますね。
今回は字数の関係で詳しくお示しできないのですが、さらに詳細な諸元データーは、
Z250がこちら、
Z400がこちらです。
跨ってきました!ポジションがフレンドリーですヨぉ
「Sugomi」デザインのなかでさらに凝縮した躍動感を見せる新型Z400/250の機体。
実は先日東京・秋葉原で行われた「Kawasakiモーターショー」の会場では、なんと跨りOKのZ400が展示されていました。
やはり実車で印象的だったのは、睨みを効かせる大きなヘッドライト。
これはかなり独特の雰囲気を持っていて、「Sugomi」という言葉をよく表現しているものだと思いました。
諸元上の全幅は1,990mm、ハンドルはバーハンドルで幅も広めな印象ですね。
メーターはZ650と同じデザイン。
どうやって表示するのかちょっと謎でしたが、
イグニッションをONにするとこんな形で、中央にシフトインジケーターがあり、タコメーターの針はデジタルになっているのがまた凄いです。
テールデザインは先代よりもさらに鋭角なもの。
前を走っているのを見かけたら、一目でZとわかる「Sugomi」を感じるでしょう。
シート高は795mm、シートの両端の肩がスマートな形になっているので、162㎝の筆者でもしっかりと両足を接地させることができました。
また、座面は後端にかけて上がっていく感じになっているので、跨った瞬間にぴったりと着座位置が決まる形。
タンク形状もニーグリップしやすくて、ハンドルもライダーに近いポジションです。
上体は非常に楽な体制を維持することができ、幅広ハンドルは相当にコントローラブルなもだと思います。
展示車はご覧のように固定されているのでわかりませんでした。
しかし、全体的にフレンドリーなポジションと相まって、ビギナーから経年ライダーまで、軽くしなやかな乗り味を楽しめそうな雰囲気を跨っただけでも味わうことができました。
Z400・Z250の見分け方
外見上ほとんど差がないように見える400と250。
「判別はどこで?」という話もあるのですが、
判別として簡単なのはサイドカウルですね。
ここに「400」、あるいは「250」と表記されているので、ここを見分けるのが簡単ですね。
ちょっとマニアックな見分け方としては、サイレンサーの長さ。
わかりますか?
そうです、長い方が400です。
このほか、リアタイヤサイズがZ250の140/70–17M/C (66H)に対し、400が150/60R17M/C (66H)だったりと微妙な違いもあります。
また、400と250とではカラーバリエーションが異なるので、そこの判別ポイントになるでしょうか?
Z400のカラーバリエーション
キャンディーライムグリーン×メタリックスパークブラック
パールスターダストホワイト×メタリックスパークブラック
の2色。
(各色とも、税込667,440円)
Z250のカラーバリエーション
キャンディカーディナルレッド×メタリックフラットスパークブラック
パールスターダストホワイト×メタリックスパークブラック
の2色が用意されています。
(各色とも税込597,240円)
ホワイトが400・250共通色なので、判別は先ほどの要領で!
Sugomiの外観を愉しもう!
Z400/250の大まかな外観については、初めにご覧いただいた通りです。
Kawasakiの公式ページにはZ400/250の外観を、360度いろいろな角度から楽しめる、360°CGビューというのがあるので、
Z400はこちら
Z250はこちら
でグルっグル回して楽しんでみてください。
これをご覧になれば、きっと多くの方が「Sugomi 」デザインの意味にご納得されるのではないかと思います。
さらに、純正オプションをバーチャルで装着しながら見積もりができるページもあるので、ここで妄想を深めるのもまた楽しいかもしれませんね。
まとめ
今回は新型Z400とZ250の発売予告を受けて、記事を書いているわけですが、実はこの2日前に、ホンダからも新しいミドルクラスのバイクについて発売予告がありました。
丁度SNSでは娘さんや息子さんが大きくなって、
「親子でツーリングに行けるようになりました!」
と嬉しそうな写真がアップされているのを多く見かけるようになったところです。
秋葉原のイベントでは、跨りOKのZ400を若い人たちが囲んでいて、
「これなら学校やコンビニに行けるし、そのまんまツーリングにも行っちゃうんじゃね?」
と、頭の中でZ400を走らせながら談笑していましたよ。
一時期は型車種に受容が偏った時代もありましたが、やはりこうした親しみやすい価格で手に入り、幅広く楽しむことができるバイクの存在は、この先のバイクシーンにとっても大切なことですね。
小柄なバイクの楽しみ、これをもっと盛り上げていきましょう!!