新生KATANAその姿見ゆ
1980年、ドイツ・ケルンで行われたINTERMOTOで衝撃的なデビューを果たしたSUZUKI KATANA 。
昭和・平成を超え、その名はさらに新時代へと語り継がれることになりました。
38年の時を超え、KATANAが再びINTERMOTOで宝刀の輝きを見せることになります。
10月2日の完全公開を前に、スズキの公式サイトではこれまで3度にわたりその登場が予告されてきました。
フェーズ1からフェーズ4まであるとされたティーザー映像。
そして、本日ついに完全公開前最後となる4本目の映像が公開されました。
まずはその映像をご覧いただきましょう。
フェーズ3ではカタナの柄に武士の手がかかったところで終わりましたね。
しかし、今回はとうとう刀が鞘を離れましたよ。
刀が空を切ると、そこに現れたのは…
新生KATANA。
眩しいヘッドライトのほかにも、LEDのポジショニングライトが、刃文のように光っています。
そして空を切る刀のように、
シャープなラインを描いてワインディングを疾走するKATANA。
よく見るとそれは、倒立フォークにブレンボキャリパーで武装され、
ライトの上には「髷(まげ)」ともいえるスクリーンを先代から受け継いでいます。
「Feel the Edge」が新生KATANAのキャッチフレーズ。
この角度から見る機影は、その意味を表すかのような鋭さを感じさせます。
そして切り裂くように駆け抜けて征くKATANA。
スイングアームから生えたナンバーステーはスズキ車としては斬新。
前回のフェーズ3ではタンクの映像が公開され、筆者もまさかとは思いました。
確かにその後姿は、昨年の11月イタリア・ミラノで行われたEICMA(ミラノ国際モーターサイクルショー)で見た「KATANA3.0」に似ています。
静態で見ている中では甲乙様々な意見も飛び交っていたKATANA3.0。
しかし、例えばほぼ同じものだったとしても、「動き」が加わると違った感想を持つ人もいるのではないでしょうか?
刀は型紙を切り裂いて登場する
確かに先代KATANA を型紙にすれば、まったく同じというわけにはいかないでしょう。
しかし昨年の秋、KAWASAKIからZ900RSが時を超えて登場した時も同じような反応があったと思います。
「モノサスなんてZじゃない!」
そういうコメントもネット上には数限りなくありました。
筆者も旧車ファンの友人から「お前、あれをかっこいいと思うならどうかしてるぞ」と面と向かって言われる始末。
昭和の時代からバイクを愛好してきた筆者なので、その真意も理解できます。
ただ、百聞は一見に如かずとはよく言ったもの。
Z900RS発売日翌日に行われた試乗会で、筆者はZ900RSの操作性に一瞬で心をを奪われました。
確かにそれは先代のZ1でも無ければZ2でもない。
ただ、先進の技術を持って操ることを楽しませてくれたあの乗り味が目指すものは、まぎれもなく先代の延長線上にあるものだと理解できました。
筆者はこの時のレポート記事の対タイトルを「再来のレッテルに甘んじない」としました。
それは、初代を型紙として、まったく同じものの再来を期待するのではなく、あの時代のスピリッツが形を変えて乗り味の中に存在することをしましたかったからに他なりません。
話をKATANAに戻しますが、やはりKATANAもZ同様時代をまとったレジェンドバイク。
それだけに先代を型紙にされるのはある意味「定め」なのかもしれません。
例えばそれは名選手の2世に親父と同じ動きを期待して、さもなくば叩きのめすようなもの。
筆者としてはZ900RSの試乗で経験したように、新生KATANAには外見以上の深いところに時代を切り裂いたあのスピリッツを感じるに違いないと期待しています。
動画の巻末には、これまでなかったINTERMOTO・プレスカンファレンスでの完全公開までのカウントダウンがされるようになりました。
今回見えたのは、恐らくさわり程度。
ティーザー映像の「ティーザー」とは「からかう」という意味でもあります。
ですから、これまでの映像を見て「あんなものはさぁ…」といっていた人の気持ちを、バッサリ斬ってくれるような何かを、新生KATANAは持っているのだと筆者は思っています。
何はともあれ2018年10月2日、日本時間18:05頃。
新生KATANA見参に期待しましょう。
このモデルの評価いかんによっては、脇差ならぬ「小刀」が出るかもしれませんね。
記事映像、引用元;SUZUKI自動車・二輪・INTERMOTO