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BIKE LOVE FORUMって何?
皆さんは「BIKE LOVE FORUM」(以下BLF)をご存知でしょうか?
これは、日本のバイク文化と二輪車産業の発展のために、経済産業省や地域の自治体、バイク業界に連なる関係団体が一堂に会して行われるフォーラム。
バイク業界がユーザーの声を国に届け、それを国政の中で反映させることで、社会的にバイク環境を向上させようというのがその目的で、今年8月の開催で6回目を迎えます。
官民一体となって話し合われるバイクのリアルな「今」を確認し、バイクの「ありたき姿」を直接聞くことができるBLF。
バイク業界でも、かなり上級職の方々が集まる場なので一般のバイクイベントはとはちがってフォーマルなものです。
ヤマハの柳社長(現会長)にもお会いしました。(ちょっとカジュアルすぎたと猛省…・)
それでも一般のバイクファンも入場無料で参加することができるのがうれしいところです。
ここに来れば目から鱗。
•バイクファンの動向は今どうなっているのか?
•国はそれをどう受け止めて今後のバイク環境をどう変えていくのか?
一般ライダーにとってもこれは、今後のバイクに対する認識を大きく広げることができるので、実に異議深いフォーラムとなることでしょう。
ひとまずBLFでどんなことが話し合われているのか?
昨年筆者が参加した、前橋大会を振り返りながらお話して行こうと思います。
バイク環境の変化の過程に立ち会える
前回の第5回大会は、テーマは「バイクと若者」。
BLFで知る業界の真意
バイク生産に「かかわりの深い都市で行われてきたBLFですが、この回は群馬県前橋市での開催となりました。
群馬県は平成22年12月に「群馬県交通安全条例」を制定した県です。
この「群馬県交通安全条例」は、2輪車の通学利用が必要な生徒に対して積極的に実技指導などを行うなど、「3ない」撤廃する内容が特長。
そのノウハウが全国から注目を浴びているのが、BLFの開催地として群馬が選ばれた理由の一つです。
写真参照元;BLF公式ページ
「3ない」が撤廃の背景には、高校性年齢での事故死者数は抑制されるものの、高校卒業年齢から20代前半の事故死者数が多い現状を打破できないことがありました。
この事実を重く受け止めた教育庁も、全国の高校に三ない見直しを通達。
「群馬県交通安全条例」はその先駆けとなったものでした。
つまり、自主自立の観点からも一律禁止を排除し、交通社会の一員として通用するよう、交通道徳や運転技術をきちんと習得させて社会に送り出そうという考え方になったわけですね。
この会では全国の高校に教育庁から「3ない」見直しが通達されて以降も、唯一「3ない」を堅持してきた埼玉県教委が参加。
その動向に注目が集まりましたが、群馬県教委の例や、バイクを購入した児童に安全講習受講を義務付けた神奈川の例などから、3ない見直しのケーススタディーをされていました。
BLFを経て、埼玉県教育委員会は今年1月に、3ない撤廃含む新たな指導要領の策定を発表。
その方針も、必要な生徒に安全な乗り方を教えたうえで2輪利用を認めるものとなる見込みです。
これは新聞にも取り上げられて話題になったので、ご存知の方も多いのではないかと思います。
ただ、「3ない」見直しにはまだまだ賛否があり、「どうせバイク屋が儲けたいだけだろ」といったような外野の意見もありますよね。
メーカーからすれば、確かに2輪の若者需要を増加促進させたい意向はもちろん意味あるでしょう。
しかし、BLFに行ってみたことで「若者の二輪利用の安全を確保が大前提」と考える業界の真摯な姿を知ることができました。
これは、ヤマハ発動機の柳 弘之 社長(当時)が、前橋BLFの総括としてお話になったお言葉。
筆者はこの言葉が今でも印象深く思い出されます。
つまり、BFLに参加してみると、バイク業界のリアルな気持ちを直接聞きながら、バイク環境が変化していく様子の一端に立ち会うことができるのです。
業界のあの手この手のワケがわかる
また、この回のBLFでは「若者のバイク離れ」についての有意義な講演がありました。
登壇されたのは「若者はなぜモノを買わないのか」という著書を著された堀好伸氏。
堀好伸氏
写真参照元;BLF公式ページ
堀氏は、現代の若者は常にバーチャルな世界で仲間とつながり、実社会を「リアル」と呼んで区別する傾向があるといいます。
しかし彼らには、ネットのコンテンツで見たおいしいものや、きれいな景色を仲間とリアルに共有したい欲求もある。
これをかなえるのに最適なツールとしてバイクを欲する趣があるのだそうです。
昨年のBLFは9月16日(土)に開催されました。
その後10月末のモーターショー前に聞いたのいは、「もっともっと自分を連れ出すんだ」と言うホンダのキャッチコピー。
これを聞いたとき、筆者は「なるほど、そう来たか!」と小躍りしたのを覚えています。
現在、メーカーは若者の「居場所」からリアルなバイクライフへ誘う戦略を展開中。
ヤマハ発動機の「#ニャマハ」や「#ヤマハが美しい」と言うハッシュタグもその一環で、なんとなーく見聞きしていたという方も多いと思いますが、実はそういうことなんですね。
つまり、皆さんがいつも何気なく接しているバイクの情報とその傾向。
こんな風に、BLFに参加すると「メーカーが何を思ってそれをするのか?」その骨子のようなものが見えてくるんです。
例えば新型車が出たときも、「なるほど、BLFでの話がこういう形で具現化されてきたんだな」と分かったりする部分もあるので、新車を見る目も変わってくるかもしれませんね。
8月3日は一関へGO!
毎回、バイク生産にゆかりの都市で行われてきたBLF。
今年の大会は、「BLF in 岩手・一関」として、2018 年 8 月 3 日(金)の12:45~17:30まで、ベリーノホテル一関(岩手県一関市山目字三反田 179)で開催されます。
一関での開催が決定した経緯としては、
- 全日本モトクロスの開催地「藤沢スポーツランド」があること
- SHOEIの生産工場があること。
- 震災復興と地域観光振興としてBLFが期待されたこと。
等があり、特にバイクと地域振興、東北においては経済復興支援を期待しての開催になるそうです。
今回は、「バイク市場の未来像」がテーマ。
経済産業省はじめとした省庁の皆さん、そしてバイク業界の役員方が集まるBLFですが今回は我々ライダーになじみの深い、
- 「オートバイ」
- 「BikeJIN」
- 「RIDERS CLUB」
- 「アウトライダー」
- 「タンデムスタイル」
- 「ガールズバイカーズ」
といった、バイク誌の責任者がパネリストとして登壇され、ユーザー目線でバイク需要の将来展望について語られる予定です。
さらにはMotoGP解説でもおなじみの宮城光さんを迎え、合田英了(ごうだえいりょう)氏と共に、既存ライダーの維持と活性化についてのパネルディスカッションもあります。
合田氏は、今年4月に「2017年度二輪車市場動向調査の概要」をまとめられた方。(この調査の細密ぶりがすごい!)
バイクニーズのリアルな現状から、宮城さんが「ユーザーに共感されるバイクニーズは掘り起こし方」についてを語ってくれるので、これは必聴ですね。
宮城さんは、翌日8月4日に一関市総合体育館「ユードーム」(岩手県一関市石ノ瀬25-3)で行われる「走ろう東北!」MFJ復興応援ツーリング」のキックオフイベントにも登場予定。
こちらはMFJ(一般財団法人 日本モーターサイ クルスポーツ協会)と東北応援の旅・ツーリング2018実行委員会主催のイベントで、冒険家の風間深志さんや、MFJ選手の参加もありますよ。
会場からバイクで約1時間の距離に無料の野営場【石蔵山村民憩いの森】もありますので、一泊の予定を組んで、BLFと一緒に参加してみるのもいいでしょう。
と言っても、そもそも…。
「一ノ関なんて遠いし、高速代高いじゃん」と言う人もいるでしょうね。
しかし、高速代ならご安心を。
先述の通り、今回のBLF一関は東北の経済復興支援も視野に入れて開催されるわけです。
そのため、今回は特別なETC二輪車ツーリングプラン、「ツーリングプランバイクラブフォーラム一関スペシャルコース」が用意されているんですよ。
これは今年4月から新たに始まったETC二輪車ツーリングプランの東北・常磐道・磐越道コースを岩手県内(松尾八幡平・鳴瀬奥松島)まで拡大したスペシャルコース。
料金は9,500円ですが、川口中央⇒松尾八幡平間の「軽自動車等料金」を、8月3日11:00着で検索すると片道で7,520円。
さらにこの区間が、4日間指定区間内を乗り降り自由となるプランなので、この夏を走り込むには十分お得なプランだといえるでしょう。
8月1日~8月31日までの限定プランなので、お申し込みはお早めに!
詳しくはNEXCO東日本のドラぷらHPでチェックしてみてください。
またETC二輪車ツーリングプランご利用上の注意点は、下記の関連記事にまとめていますので、ご参考にしていただけたらと思います。
まとめ
BLFでは、業界の課題を2020年までに達成するためのロードマップを掲げています。
その内容は、
2.そして日本車の世界シェア50%獲得
3.マナー向上
の3つ。
「1」の達成にはまだゴールは遠い現状です。
しかし、駐輪場の確保や、4輪2輪の有料道路料金分化など、様々な方策でバイクを快適に利用できる環境を整備する努力を継続中。
その点では成果が目に見えるので、これからも期待したいですね。
「2」についてはもうすぐ実現しそうな勢い。
筆者も欧米を旅しましたが、やはり日本のバイクの人気はすごいと実感できます。
↑2015年マン島(ラムジー)は、ほぼ日本車だらけでした。
昨年のBLFでも、バイクをメイドインジャパンの旗手としてさらに市場を充実させたい」と経済産業省の方が発言されたのですが、この努力はこれからも続けて欲しいと思います。
そして「3」については安全スキルを高める講習を各地で開催するなど、業界として最大限努力をしているところですが、マナーはやはりライダー個々の心の中にあるもの。
ただ、BLFに参加すると業界の安全に対する「マジ」がわかるので、ふらちな考えで適当にアクセルを開けようとは思わなくなります。
BIKE LOVE FORUMは、言ってみればこれはバイクの公開首脳会議のようなもの。
一般ユーザーとして隙間ない議論に立ち会って、ご自身のバイク観を一度整理してみるのも、バイクライフにプラスになることだと思います。
ともかく、手元の愛車の込められたメーカー・業界の真剣な思いがより深く感じられるようになるんですね。
ココが今回皆さんにBLFへ行ってみることをお勧めする一番大きな要因です。
今年は是非、バイクの「リアル」を確かめに、東北を周りながらBLFにも行ってみてください。