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バイク走行中にも熱中症になる?意外に怖い症状と対策のまとめ

意外?ライディング中の熱中症

「熱中症に気を付けて」と言われても、「まさか俺が?私が?」なんて軽く受け流していませんか?

基本的に熱中症は、条件さえそろえば老若男女関係なく誰もが発症するもの。

しかし「バイクなら、走って風にあたっていれば大丈夫でしょ?」と思う方も少なからず。

いえいえ、バイクで走行中にもその症状は遠慮なく襲ってきます。

「じゃあ、水分補給さえしていれば何とかなるよね?」

これも間違いではないのですが、熱中症対策としてそれだけでは決して十分とは言えません。

熱中症は時に命を危険にさらし、後遺症を残すこともある恐ろしい急性障害。

しかも、初期段階にはほとんどその自覚症状がなく、「あれ、おかしな?」と思った時にはもう、かなり症状が進んでしまっているんです。

にもかかわらず、単に「夏バテ」として軽く受け止められることが多いのも事実です。

この際、そんな敵(熱中症)の姿を知ってしっかりと対策し、暑さに負けずにバイクを楽しんで夏を乗り切りましょう。

今回は、ライディング中に襲い掛かる熱中症の予防策と、予防グッズのご紹介もしてまいります。

「熱中症」をちゃんと知ろう

「熱中症」は良く「日射病」と混同されがち。

確かに症状は似ているのですが、症状の現れ方に違いがあります。

ひとまず「日射病」と「熱中症」について整理しながら、症状の内容と予防法について理解していきましょう。

「日射病」と「熱中症」の違い

いずれの場合も症状としては

•大量に発汗する
•大量発汗によって脱水症状がひき起こされる
•脱水症状から、体温調節中枢の機能低下が起こる
•やがて頭痛・めまい・意識障害・痙攣が起きる

というのが主な症状・経過で、ほぼ同じです。

日射病というのは読んで字のごとく、長時間直射日光が体温を上げて、身体の冷却機能の限界を超えたときに起こる病気。

なので直射日光を避け、こまめな水分補給である程度予防することができるわけです。

対して、「熱中症」は「熱」という感じにとらわれがちですが、こちらは高温に加えて多湿な環境に長く過ごすことで、身体の排熱機能が阻害されて起きる急性障害。

ですから、「熱中症」の場合は屋内・屋外を問わず、例え深夜寝ていても発症する可能性があるのが大きな違いなのです。

さらに熱中症にはⅠ度・Ⅱ度・Ⅲ度とその症状の度合いが分かれていて、それぞれの対処方法があります。

予防法としても、日ごろから罹患リスクを高めないよう条件を整えておく必要があるので、これはしっかり覚えておきましょう。

「熱中症」の進度と基礎的な対応

「熱中症」の場合は、重症化すると「熱射病」に発展して、後遺障害が残ったり最悪は命にかかわる可能性があるのでかなり厄介です。

その重症化の進度をまとめると次の表のようになります。

症状の度合い 症状内容 対処法
Ⅰ 度 現場の応急処置で
対応できる軽度
  • めまい・立ちくらみ
  • 異常な汗

(噴き出して
止まらない)

  • 冷所に避難
  • 衣服を緩め体を冷やす
  • 水分塩分補給
Ⅱ   度 病院搬送を必要とする中等症
  • 激しい頭痛・吐き気や嘔吐
  • 倦怠感
    (だるい)
  • まずはⅠ 度と同じ対応
  • 足を高くして休む
  • 口から水分補給が不能であれば病院へ!
Ⅲ  度 入院・集中治療を必要とする重症
  • ひきつけ(痙攣)
  • 呼びかけに対する返答がおかしい
  • 真っすぐ歩くけない
  • 体温が高い
  • 意識がない
首・脇の下・股間など太い動脈付近を水や氷で冷やし救急車を要請!

結構怖いですよね。

参照元;環境省「熱中症予防声掛けプロジェクト」

これはご自分の場合もそうですが、周囲の方が上記の症状に当てはまったら適切に対処して助けてあげましょう。

とりあえず口が飲み物を受け付けないような場合は、すぐに119番通報ですね。

また、冒頭でもお話した通り、かなり症状が進んでからでないと自覚症状が現れず、症状を感じたときには既に脳神経系に何らかのダメージを追っていることが少なくありません。

また、そこからさらに重症化することも十分考えられるので、「もしや?」と思うときには軽いものだと自己判断せず、最寄りの病院で診察をうけるようにしてください。

熱中症予防の基本

結論から言って熱中症予防のポイントは

  1. 「排熱」(冷所への避難や、体調管理)
  2. 「排湿」(冷所への避難や、かいた汗に対する対処)
  3. 「冷却」(冷所への避難や、保冷材などの活用)
  4. 「補給」(水分とミネラル、補給方法を工夫)

の4つ。

もちろん、熱にさらされっぱなしにならないように冷所で休んだり、水分補給をこまめにすることが必要なのはよく言われることです。

しかしそれ以上に、日ごろの体調管理や、ウエアなど衣服での工夫。

あるいは水分接種の方法にも予防効果を高めるポイントがあるようです。

ここではそれぞれに応じた対策や、有効なグッズをご紹介してまいります。

「排熱」は身体の機能の保全から!

交差点で停車中に大型車の熱に囲まれ、さらに自分のバイクのラジエーターファンが股下から猛烈な熱を噴き上げている。

実は筆者も一度、こんな状況で意識を失ってバイクごとひっくりかえったことがあります。

幸いすぐに意識が戻りましたが、その日一日は夜になってもめまいなどの症状が残り、相当苦しみました。

確かあれはまだ、20代の後半?

児童養護施設で指導員をしていたので、宿直業務もあって体のリズムを一定に保つのが難しい毎日のなかでの出来事。

実感としてお伝えしたいのは、熱中症は年齢に関係なく、疲れた体に襲い掛かるということです。

筆者の場合は交差点で停まっているときでしたが、疲れによる基礎代謝の低下は熱中症の発症要因の一つ。

なので、バイクで風を受けながら走っている最中にでも熱中症で平衡感覚を失い最悪転倒?

「危なくそうなるところだった」

という話も身近に聞きますので、これは何とか回避しましょう。

ポイントは質の良い睡眠。

この季節は交感神経と副交感神経をリズムよく切り替えられるよう、日ごろから休める時間にしっかり休むことが肝心なのです。

しかし、夜遅くまでお仕事と言う方も多いと思います。

なのでここは、「いかに睡眠の質を高めるか」ということに焦点を当ててお話します。

例えば、就寝直前に飲食をしたりするのは脳を興奮させてしまい、神経のリズムを阻害することになるので、就寝の2~3時間前までには飲食を終えておくとよいでしょう。

その際、あまり脂っこいものだと、胃腸の活動が活発なままになってしまうので、魚や豆や卵など油分の少ないたんぱく質を摂るといいそうです。

同じように、カフェイン摂取は睡眠を浅くするので、お茶・コーヒー・コーラの類は就寝直前を避ける方がよいようです。

特に、飲酒は睡眠を浅くするばかりではなく体内の水分の排出を促進するので、熱中症にかかるリスクを高くします。

全く飲まないというのも難しい場合もありますが、ライディング前夜の深酒は禁物ですね。

もちろん日常生活でも、こうした予防は大切ですが、バイクの運転は何より五感を要するもの。

安全を確保し、ライディングパフォーマンスを上げる意味でも、バイクに乗る前の晩には、睡眠の質の向上を意識して熱中症の発症リスクを押さえていきましょう。

効率の良い「排湿」を考える

こうして、体自体が持っている排熱システムをちゃんと機能させることは極めて重要です。

しかし、しっかりとした休息をとったとしても、長く多湿な環境に置かれるとその機能が阻害されてしまいます。

しかしながらライダーは夏でもメットをかぶり、長袖を着ているわけで、常に蒸れやすい環境下にあると言ってよいでしょう。

かといって、肌を晒してバイクに乗るのは全くいただけませんし、かいた汗がそのままになっているというのも良くありません。

多湿⇒排湿は熱中症防御にとって大きなポイント。

バイクに乗って汗をかいたら、こまめに汗を拭いて、衣服の中に湿気をこもらせないことが肝心です。

高速道などではSA・一般道ではコンビニで休憩をする際、冷所でタオルやクールペーパーで汗を拭いたり、Tシャツなど 着替えも意識した多めに持っているといいでしょう。

ただ、これだとちょっとかさばるのが心配ですね。

そのために、素早く汗を吸って湿気を体外に排出するのを助けてくれる、ドライ系のアンダーシャツが熱中症対策として期待できます。

RSタイチ(アールエスタイチ) COOL RIDE(クールライド)ベーシックアンダーシャツ ブラック/ブルー (サイズ:XL) RSU307

しかし、せっかく排出した湿気がジャケット内でこもってしまってはその効果がうまく発揮できません。

そこでトップには、メッシュが多めに使われているジャケットを着て、風を当てることでその機能を高めるといいでしょう。

RSタイチ(アールエスタイチ) バイクジャケット ブラック/グレー (サイズ:XXL) クルーメッシュジャケット RSJ317

加えてボトムにも、メッシュパンツを履いて、できるだけ多くの風を当てて体を冷やし、排湿+排熱を促すよう心がけるとよいでしょう。

RSタイチ(アールエスタイチ)バイクパンツ ブラック/レッド (サイズ:XL) クロスオーバー メッシュライディングパンツ RSY251

実は夏場は筆者もこれらを着込んでいるのですが、快適性が持続するので特に炎天下で長距離を走った場合などは、疲れ方にも差が出てきますね。

積極的な「冷却」を考える

とはいえ、走行風に頼れない状況、例えば125㏄以下は60km/hまでしか出せませんし、大きなバイクでも街中では筆者が経験したような話になってくるかもしれません。

そんなふうに「もう少し積極的に体を冷やしたい」と思う状況も多いですよね。

そういった時には、冷却パックの入ったベストがあるので、これを活用するといいでしょう。

熱中症対策グッズ 冷却ベスト 上位モデル アイスハーネス アイスパック(保冷剤)3個付き 男女兼用

これは赤城工業という、消防や自衛隊員の方々がお使いになる特別な装備品を作っている会社の製品です。

レビューを読み込んでいくと、高温作業をされている方などの満足度が高い商品であることがわかりますね。

背中に仕込んだ保冷剤が冷たすぎるのでは?

と思ったのですが、背中に当たる面にも工夫があって、熱を素早く奪う生地が採用され、冷え方もじんわり冷えていく感じなのだそうです。

彼らが過酷な環境で使用しても3時間は涼しくいられるといいますから、恐らくバイクで使うならもう少し頑張ってくれそうですね。

これなら、積極的な「冷却」に有効だと思います。

はじめは赤城乳業さんと間違えて、「ガリガリ君?」と思っていましたが、この商品は赤城工業(株)製ですのでお間違いなく(笑)。

「補給」にはポイントがある

「熱中症の予防のために意識的に水分を補給しましょう」というのはよく聞く話です。

しかし補水の仕方などにはポイントがあるので、それを覚えておきましょう。

これは実際にライディング中に熱中症を発症された方のお話。

目的地について具合が悪くなった彼は、フラフラと自販機にたどり着き、キンキンに冷えたスポーツ飲料を一気にゴクゴク飲んだそうです。

普通ならこれで改善すると思いますよね。

しかし彼はこのあと、冷たいものをすきっ腹に一気に流し込んだことで下痢をしてしまいます。

こうなると余計に脱水症状が進んで、事態を悪化させることに…。

彼曰く、おかしいと感じたとき、飲み物は一気に飲まず口の中に一度含んで、温度を上げてからゆっくり飲んでいく方がいいのだそうです。

もちろん補水は水やお茶もいいのですが、食道からも吸収される経口補水液であれば、失われた塩分やミネラルなどを速やかに補給できるのでより効果的です。

<お得な24本セット>オーエスワン(OS-1) 280ml入り×24本

これは、実際に熱中症を経験された所ジョージさんがCMをしていることでおなじみのOS-1。

この経口補水液にはクエン酸やミネラルが豊富で、吸収が早いのが特徴です。

280mlなら携帯性もよいですし、箱買いしておけばライディング以外にも、ひと夏ちょうどいいかもしれませんね。

食欲が落ちたときの工夫

暑さに負けると「固形物がのどを通りにくくなる」ということもありますよね。

実際筆者も、ほとんど固形物が食べられない状況が続く中、交差点でひっくり返ったのです。

なので、「熱中症」にならないためにも、食が細くなった時こその一工夫が必要。

例えば、そうめんを食べるにしても、しょうがを入れるだけで代謝が上がるそうですよ。

また、夏場に固形物を食べにくくなる人は、ヨーグルトが最適。

ヨーグルトは噛まなくても摂取できるので、直接胃腸に届く完全食です。

ヨーグルトには必要な栄養素がたくさん入っていて、胃腸を丈夫にして体の耐性を上げてくれます。

その先、食欲も出てくるんですよ。

ただ、乳製品NGな人もおいでですよね。

そうした場合は、

アミノバイタル ゼリードリンク マルチエネルギー 180g×6個

こういったエネルギーチャージのゼリーを補食として摂っていくのが効果的です。(乳アレルギーは大丈夫だそうですが、リンゴアレルギーの方はNGだそうです)

とにかく食の面から体の機能を意識的にバックアップしていくのが重要なんですね。

情報活用も予防のうち

「少しでも遠くへ」というロングディスタンスライダーも気持ちはわかりますが、健康を損なっては元も子もありません。

ツーリングであれば、出発前にテレビやWEBでルートの気温予想をチェックしておくことが重要です。

参考元;環境省熱中症予防情報サイト

こうした予報を活用して、「厳重警戒」・「注意」とされる場合はPA・SAの立ち寄り回数を増やしたり、「道の駅」または「コンビニ休憩」を臨機応変に入れることをお勧めします。

 まとめ

今回は一般的な予防法に加え、バイクに乗っている最中のどう対処するか、また事前の予防についても考えてみました。

かなりザックリとですが、「熱中症」そのものについてもご理解いただけたのではないかと思います。

おさらいすれば予防の基本は

  1. 「排熱」
  2. 「排湿」
  3. 「冷却」
  4. 「補給」

の4つ。

冬は冬で、保温の方法などをお伝えしてきたわけですが、夏の場合は装備の問題に加えて、冬場以上に日ごろの体調管理が重要なんですね。

孟夏のライディングには、身体を万全にしたうえで適切な装備で条件を整え、情報を正しく活用することが欠かせません。

早くも近場のツーリングに出掛けた友人が「ヤバかった」と話していました。

ライディング中の熱中症、もはや侮れず他人ごとではありません。

とにかく一度かかると、非常に危険なこともあり厄介な熱中症。

この夏も皆さんが安全で快適にを楽しく、バイクで良い思い出をたっくさんつくれますように!

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