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Kawasaki Ninja H2 SX/SEついに発売!豪快で繊細な魅力に迫る

 噂のモンスターついに登場

2017年秋ごろからその姿が公開されたカワサキのスーパーチャージドツアラー、カワサキNinjaH2SX。

最高速で他の追随を許さない、あのカワサキNinja H2 がベースというだけに早くも話題騒然です。

昨年モーターサイクルナビゲーターの中でもこちらの記事でお伝えしていましたね。

Kawasaki(カワサキ) H2 SX GTスーパーチャージャーツアラー公開!

既に2018年2月1日から日本仕様の詳細スペックなどが、カワサキホームページ上で公開されています。

発売日はいよいよ3月1日。

まずは注目のフォルムから見ていきましょう。

 

まずこちらがスタンダードグレードとなるNinja H2 SX。

ライト周りの印象や片持ちリアアームなど、H2の雰囲気を受け継いでいるため、「単に外装だけが変わっただけなのかな」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかしNinja H2 SXはフレームからして専用のもの。

H2からホイールベースが25mm延長し、1,480mmとなっています。

どうやらこの25mmの延長の中にハイスピードツアラーとしての「本気」がぎゅっと凝縮されているようですよ。

ツアラーを極める車体

 

エアボックスから延びるインテークが、H2同様、ただものではない雰囲気を醸し出しています。

サイレンサーがシンプルになったことで、ストリップ映像ではH2より若干すっきりした印象ですね。

もっとクローズアップして見ていきましょう。


こちらがNinjaH2R、

そしてこちらがNinjaH2 SXです。

例えばこの部分、H2と比較するとシートレールがかなりガッチリしているのがわかりますね。

シートレール自体が延長されただけではなく、車載可能重量はなんと195㎏!

これはタンデム+フルパ二アを想定したものと思われますが、これだけの装備を積めるとなると旅のプランも楽しくなりますね。

エンジン背面がスイングアームピボットを受け持つのはH2同様。

NinjaH2 SXではそこから延びるスイングアームをH2比で15mm延長して、ロングスイングアーム化を図っています。

これによって、積載時にも全域での軽快で安定した操縦性を保てるようになっています。

合わせて、ステアリングヘッドをH2比10mm前寄りに移すことで、左右30°のハンドル切れ角を確保。

 

低速時でも取り回しがしやすいように配慮されているのがうれしいですね。

こうしてH2をもとに熟成された部分からは、NinjaH2 SXが持つハイスピードツアラーとしての「本気度」を感じると同時に、扱いやすさにこだわった優しさもうかがえます。

H2エンジンをリファイン

NinjaH2 SXで一番注目されるのは、なんといってもH2をもとにしたスーパーチャージャー付きエンジンを搭載していることでしょう。

レーサー仕様のNinja H2Rの最高出力は、ストック状態でもなんと310PS/14,000rpm(ラムエア加圧時:326PS/14,000rpm)を発揮。

フルスペックではとんでもないパワーを持ったエンジンです。(公道仕様のNinja H2では200PS)

もちろんそれはフレーム同様に、全く同じものが流用されているのではありません。

NinjaH2 SXの エンジンはH2のものからさらに効率化が図られ、ツアラーとしてより扱いやすくなるよう、リファインが随所に施されています。

また、排気音は「シュワン!シュワン!」という低音より高音がさえる感じ。

左サイドの吸気ダクトにはスーパーチャージャー特有の吸気音を楽しめるよう工夫がされているそうなので、加速jするたびにその音を楽しめそうです。

ツアラーとして燃費を向上

諸元等は後述していきますが、NinjaH2 SXの最高出力はNinja H2と同じ200PS。

NinjaH2 SXでは圧縮比をNinja H2の8.5:1から11.2:1と大幅に高めたことで、燃費性能が向上しています。

またマフラーはマスの集中を図るため、触媒をサイレンサーではなく、エキパイ集合部に配置。

触媒が早く温まることで、エンジン始動時の環境性能を向上させ、燃費を向上させることに貢献しています。

スーパーチャージャーの高効率化

さらに、スーパーチャージャーのインペラ(羽)の形状を新しくし、回転数や吸気量を最適化。

また、同時にインテークチャンバーも樹脂製からアルミ製とすることで、Ninja H2よりもさらに吸気効率を高めています。

このアルミ製インテークチャンバーは、スーパーチャージャーのブースト気圧による形状変化が少なく、気密性がアップ。

さらには、吸気の放熱性にも優れるため、ピストンごとに2基備えていたオイルジェットを1基に減らすことができ、軽量化とフリクションロスの低減に貢献しています。

このチャンバーの中では、1番と4番のファンネルを短くし、中低速でのレスポンスアップによる扱いやすさの向上を図っています。

こうした細部にわたるリファインによって、ツアラーとしてより扱いやすくなるよう熟成されているのですね。

電脳でツーリングをサポート

最近のハイパーマシンにはマシンの姿勢を安定させながらライダーをサポートする電脳装備が搭載されています。

H2では、トップスピードを求める方向で電脳が使われているわけですが、Ninja H2 SXでは全域での扱いやすさと安全性を求める方向で、電脳にも熟成が図られています。

3モードパワーセレクター

Ninja H2 SXはスーパーチャージャーのついた200PSエンジンのモンスターツアラー。

思い切ってその加速を楽しみたいときもあれば、路面状況によってそれが「あだ」となることも考えられますよね。

Ninja H2 SXには3モードからなるパワーモードセレクターが用意されています。

路面の状況が刻々と変わっていくのがツーリング。

パワーセレクターは様々な路面コンディションや走行状況に対応して、走行の安全を助けてくれる心強い味方になるでしょう。

高機能IMUを搭載

IMUは今やスーパースポーツのみならず、高出力のハイパーマシンにはお約束の装備になりましたね。

IMUとは慣性計測装置のこと。

Ninja H2 SXではIMUがECUと協調して上下方向、左右方向、前後方向にロールとピッチさらにヨーの動きも検知する6軸姿勢計測。

これによって、コンピューターがバイクの姿勢を監視しながらエンジンの出力などを制御し、走行中の不用意な動きを抑えながら安全をサポートしてくれています。

トラクションコントローラーを搭載

またIMUが察知した情報はトラクションコントローラーにも瞬時にフィードバックされます。

例えば、スリップなどで急激な姿勢変化があると、瞬時にそれをコンピューターが察知して、エンジンの出力を抑えて車輪の空転を抑えることができるんですね。

このおかげで、不意に遭遇するぬかるんだコーナーなど、ツーリング中に想定されるリスクに幅広く対応できるようになっているわけです。

さらに、トラクションコントロールの介入度も任意で調整できるようになっているので、ハードなスポーツ走行も楽しめそうですね。

高精度ブレーキシステムを採用

また、Ninja H2 SXではECUが、

といった多彩な情報を、IMUからの姿勢情報も加味しながら瞬時に解析し、高精度なブレーキ制御を行います。

例えば、ピッチングの制御や、旋回中のブレーキコントロールも自動で最適化しながら、走行中の安全の幅を広げてくれています。

こうした電脳制御の高精度な組み合せが、熟成されたエンジンを制御し、計算されたフレームワークの中に搭載されている。

Ninja H2 SXは、扱いやすく快適な、まさに究極のハイスピードツアラーに仕立てられていると言ってよいでしょう。

上級グレード「SE」の魅力

NinjaH2 SXには上級グレードの「SE」が用意されています。

 

ちょっと見ただけではその差はわかりづらいかもしれませんね。

いくつか上級装備が装着されているということですので、その違いを詳しく見てみましょう。

ハイスクリーンはありがたい

外見上のポイントとなるのはスクリーンの高さ。

諸元上、スタンダードとSEでは全高に55mmの差がありますがおそらくこの部分でしょう。

SEではよりウインドウプロテクションを高めたハイスクリーンになっています。

スタンダードでも、オプションでこちらのハイスクリーンを装着することもできます。

やはりツーリング性能を重視したマシンの性格から言って、ハイスクリーンはありがたい装備だと言えますね。

センタースタンドの標準化

また細かいところでは、センタースタンドがSEだけの標準装備になり、スタンダードではオプションになります。

実は筆者も、サイドスタンドしかないバイクでキャンプツーリングの準備をしている最中に荷物もろともバイクを倒したことがあります。

やはり、これだけ自重のあるバイクで、相当の積載キャパがあるわけですから、センタースタンドはあった方が無難ですね。

LEDコーナーリングライト

そしてスタンダードとSEを区別するポイントとして大きく違うのがこの部分。


スタンダードモデルは整流板のようになっていますが、SEではサイドカウルに3灯のLEDコーナーリングランプが配置されています。

このLEDコーナリングライトは、IMUの姿勢情報をフィードバックして、

このように、車体の傾きによって明るさを変えながら、コーナーの先を最適に照らしてくれるというすぐれもの。

秋から春かけての日の短い時期のツーリングではその威力を発揮してくれそうです。

SEだけの電脳装備

SEには専用に、アップ側・ダウン側ともに有効なクイックシフターが装備されます。

 

これなら、長距離はもちろん、街乗りで頻繁なクラッチ操作が必要なくなりますから、助かりますよね。

さらにSEには、発進時のトルク制御とホイールリフト制御(ウイリィー制御)さらにはロウンチコントロールまで装備されています。

また、電脳ではありませんが、SEにはブレーキホースも、高速走行に有利なステンレスメッシュを採用。

「ツアラーにそこまで?」と思ってしまいますが、そこはやっぱりH2ベース。

これならハイグリップタイヤをチョイスしただけで、サーキット走行も結構マジに行けてしまうのかもしれませんね。

メーターもTFTで「豪ジャス」に

そしてメーターパネルは

 

スタンダードがH2と同じ反転液晶なのに対して、SEではフルカラーTFT液晶になっています。

SEのTFT液晶画面には自動調光装置もついているので、昼夜を通して高い視認性を保ってくれます。

TFTの方が若干画面が大きく見えますし、タコメーターの感じも少し違った印象ですね。

写真で見てしまうとTFTの方が豪華にも見えますが、スタンダードの落ち着きがある雰囲気も捨てがたいような気がします。

これは早く実車で比べてみたいですね。
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ツアラーとしての機能美

機能美溢れるハンドル回り

外見上、このマシンのキャラクターがよく表されていると思うのがこのハンドル形状。

フルアジャスタブルのサスの調整部がスポーティーな走りを誘いつつ、アップライトしているハンドルブラケットが扱いやすさを予感させます。

造り込みそのものもかなり凝っていて、非常に美しいハンドルブラケットだと思います。

 

そのハンドルに配置されるスイッチ類も機能的に配置され、多機能にしてごちゃついた感じがないのがきれいですね。

 

最近のハイパーネイキットにもよく搭載されるようになったクルーズコントロールシステム。

使って人に聞くとやはり「相当らくですよ」とのことで、これだけのツアラーであればうれしい装備であることは間違いありません。

またクラッチは油圧で、アシスト付きのスリッパークラッチを採用。

やはり大出力の大型ツアラーですから、クラッチ操作が軽いのは助かりますよね。

特にスリッパークラッチは、急なシフトダウンが必要な時にも、タンデムのパッセンジャーへの負担を軽減してくれるでしょう。

シートには乗り手への思いやりが

NinjaH2SX/SEともにシート高は820mm。

SXで256㎏、SEだと260㎏ですから、それだけの車体を支えるためにもライダーの足つき性は重要です。

このクラスとしては標準的だと思います。

先日、Z900RSに試乗した時タンク回りがきゅっと絞り込まれていて足つきが楽だったのを覚えています。

実車にまたがった方のお話を伺うと、このNinjaH2SX/SEでも同じようにタンク回りが絞られていているとのこと。

このおかげで、脚をまっすぐ下におろせるため、やはり非常に足つきが楽なのだそうです。

これはかなり助かりますね。

またタンデムシートもフラットで座面が大きく、長距離移動中のパッセンジャーの疲労軽減にも配慮がなされています。

グラブバーもかなりしっかりしているので、これらはツーリングモデルとして非常に思いやりを感じるところなのではないでしょうか。

美しいリモートアジャスター

そして、前後ともサスのセッティングは、H2そのままではなく、ツアラーとしてNinjaH2 SX専用の味付けが施されています。

リアサスペンションにはツアラーに欠かせないリモートプリロードアジャスターを装備。

これによって荷物の多さやタンデム時に合わせたプリロードを、工具を使わずに簡単に調整することができます。

全体的にこうした装備が、「ただついてるヨ」というかたちではなく、その機能を美しくまとめているところがカワサキらしさ。

NinjaH2 SXを非常に上質に見せているのはこのセンスのおかげでしょう。

多彩なオプション群

NinjaH2SX/SEには、ツアラーとしての機能をより充実させる豊富なオプションが用意されています。

中でもパ二アケースはでマシンのイメージを完成させてくれますね。

この純正パ二アケースはGIVI社製。

アウトバーンで高速走行試験を行い搭載位置の最適化を図るなど、強いこだわりを持ってつくられています。

最大容量は片側だけでも28リットルと大きく、フルフェイスのヘルメットをすっぽり収めることができます。

別注文になりますがワンキーシステムを注文すれば、イグニッションキーでの開閉・脱着ができるようになるので便利です。

こうした機能美豊かなオプションもほかにもいろいろあるわけですが、カワサキのHP上には「アクセサリーコンフュギュレーター」というものがあります。

こちらでは様々なオプションを画面上でつけたり外したり。

ちょっとした着せ替えバイクを楽しむことができますよ。

またマシンの価格と合わせた購入シュミュレーターもついているので、購入を考える方には大変便利なものだと思います。

まとめ

今回日本で公式に発売されるNinjaH2SX/SEは日本仕様で、シート下にETC2.0がを標準で装備されています。

日本仕様というと、180㎞/hリミッターがつきものですよね。

しかし、カワサキ販売店に聞いたところによると規制内容が変わり、今回のモデルからは日本仕様でも180㎞/h速度リミッターは省かれているとのこと。

ライトレンズの配光と、このETCの有無くらいしか欧州仕様と差がないのだそうです。

さらにご紹介しているようにNinja H2 SX/SEでは、H2エンジンがかなり熟成され、特に中低速域ではH2をしのぐ性能を発揮するのだと言います。

こうなると、ライダーの理性に任される部分が相当大きくなるわけですよね。

川崎重工業製といえども家庭用新幹線、よもや自家用戦闘機を造ったつもりはないでしょう。

やはりオーナーにはジェントルなライディングを期待したいものです。

なお、先述のカワサキショップによると、日本仕様車の今年分の販売枠は既に予約でだいぶ埋まってきているとのこと。

気になる方は急いでカワサキ新車取り扱い店にお問い合わせになることをお勧めします。

NinjaH2SX/SE 各諸元表

2018年モデル Ninja H2 SX・Ninja H2 SX SE

車名

(通称)

Ninja H2 SX

Ninja H2 SX SE

型式 2BL-ZXT02A
全長×全幅×全高 Ninja H2 SX
2,135mm×775mm×1,205mm

Ninja H2 SX SE
2,135mm×775mm×1,260mm

軸間距離 1,480mm
最小
回転半径
3.1m
最低地上高 130mm
シート高

820mm

乗車定員 2名
キャスター
/トレール
24.7°/103mm
エンジン種類
/弁方式
水冷4ストローク 並列4気筒
/DOHC4バルブ
総排気量 998cm³
内径×行程/圧縮比 76.0mm ×55.0mm /11.2:1
最高出力 147kW(200PS) /1,1000rpm
最大トルク 137N・m (14.0kgf・m)/9,500rpm
始動方式 セルフスターター
点火方式 バッテリ&コイル
(トランジスタ点火)
潤滑方式 ウェットサンプ
エンジンオイル容量 4.7L
燃料
供給方式
フューエルインジェクション
使用燃料 無鉛プレミアム
ガソリン
燃料タンク容量 19L

燃料消費率

(km/L)

27.0km/L
(国土交通省届出値:60km/h
・定地燃費値、2名乗車時)
17.9㎞/L
(WMTCモード値
クラス3-2、1名乗車時)
トランスミッション形式 常噛6段リターン
クラッチ
形式
湿式多板
ギヤ

・レシオ

1速 3.076(40/13)
2速 2.470(42/17)
3速 2.045(45/22)
4速 1.727(38/22)
5速 1.523(32/21)
6速 1.347(31/23)
一次減速比

二次減速比
1.480(74/50) / 2.444(44/18)
フレーム
形式
トレリス
懸架
方式
テレスコピック

(インナーチューブ径 43mm)

スイングアーム
ホイール
トラベル
120mm
139mm
タイヤ
サイズ
120/70 ZR17M/C 58W
190/55 ZR17M/C 75W
ホイール
サイズ
17M/C×MT3.50
17M/C×MT6.00
ブレーキ
形式
デュアルディスク320mm(外径)
シングルディスク250mm(外径)
ステアリング
アングル
(左/右)
30°/ 30°
車両重量

Ninja H2 SX      256kg

Ninja H2 SX SE 260kg

カラー Ninja H2 SX
メタリックカーボングレー×
メタリックマットカーボングレーNinja H2 SX SE
エメラルドブレイズドグリーン×メタリックディアブロブラック
メーカー
希望
小売価格

(Ninja H2 SX)
1,998,000円
(本体価格1,850,000円、
消費税148,000円)

(Ninja H2 SX SE)
2,376,000円
(本体価格2,200,000円、
消費税176,000円)

 

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